参拾陸 ページ37
「置いていったのは本当にごめん。Aちゃんが俺の事励ましてくれてるのも分かってた。」
『じゃあなんで。』
「だってAちゃん強いじゃん。俺なんか壱の型しか使えないしそれなのに鬼の首は斬れないし気づいたら鬼が死んでるしさぁ。怖いのよ!知らないうちに鬼が死んでるのがあ!Aちゃんは自分で斬れるからそんなのわかんないでしょ!!」
何それ…
『えぇわかんないですよ!善の怖さなんて!!でも私だって強くない!!今まで鬼の頸が斬れていたのだって今までの鬼が弱かったから!!善だって私の型の威力が弱いこと知ってるでしょ!!?
もっと強い鬼が出てきたら、私は呼吸を使っても鬼の頸を斬れないの!それに何回も使えない!!いつ強い鬼が出てきて頸を斬れなくなるのかが分からないから怖いの!!!』
「知ってるよそんなことは!!!でも俺じゃAちゃんを守れないし足でまといになる!!」
あぁ、だめだ。2人とも熱くなっちゃって売り言葉に買い言葉だ。
『守ってもらわなくていい!!協力したかったの!!!一緒に戦えば勝てるかもしれないじゃん!!
違う…違うの!私が聞きたいのは!!そういうことじゃないんだって!!』
「じゃあなんだよ!!現にAちゃんは怪我してないんだからいいじゃんか!!俺なんか鬼の毒で手足が縮んだんだよ!!!」
『…………なんであの時、私より禰豆子ちゃんを優先したの…』
熱くなって話が逸れていたけど私が1番聞きたいのはこれだ。
「さっきも言ったけどAちゃんは強いからだけど。」
『…は?』
「Aちゃんは戦う術を持ってるから自分の身も自分で守れるじゃん。でも禰豆子ちゃんは、『何それ………』…何。」
『何それって言ったの。
禰豆子ちゃんは何?禰豆子ちゃんは戦う術がないからってこと?可笑しいじゃんそんなの。
禰豆子ちゃんは鬼だよ?太陽に当たるか日輪刀で頸を斬られることがない限り死なない。回復する。』
「……そうだね。何が言いたいの?」
禰豆子ちゃんの事が他の隊士に知られてしまうのは良くないと思って少し気持ちを抑えて言ったけど、善の一言で私の怒りが最高点に達した。
『なんで分からないの?禰豆子ちゃんは回復するし死なない!でも!!私は人間!!なんで鬼の禰豆子ちゃんを優先したの!?』
「そんなの禰豆子ちゃんの方が好きだからに決まってんだろ。正直うんざりなんだよAちゃん。」
『うんざり…そっか。ごめん気づかなくて』
私は直ぐに病室を飛び出した
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作者名:榮凪 | 作成日時:2020年2月23日 23時