検索窓
今日:1 hit、昨日:19 hit、合計:49,972 hit

<17> ページ18

……地雷を踏んでしまったのだろうか。安室さんはさっきからずっと固まったままだ。

声を掛けてはみたが、反応なし。そんな彼を見据えていると、私の中で一つのアイデアを閃いた。





これからの衣食住…考えてもみなかった。…いや、考えるのを避けていた。

俺が元の世界に戻れる、という可能性はほぼ0%。助けはこないと考えた方がいいだろう。つまり、この世界では俺は……無職、ということになる。

財布は一応あるが、それもいつ尽きるか分からない。どうしようかと考えあぐねるが、良いアイデアは思いつかない。

「あの…安室さん」

彼女の声が急にはっきり耳に飛び込んできた。

「安室さんって…家事はできますか?」

「はい、まぁ全般は…」

「職業も、衣食住もないんですよね?」

「……まぁ、そういうことになりますね」

口に出したはいいものを、やはり少し気が滅入る……が、なぜか彼女の顔には喜色が浮かんでいる。質問の意図が全く見えない。

「もし…安室さんがよろしければ、私の家の住み込みで家事を引き受けていただけないでしょうか?お給料は出せませんが、貴方の衣食住と金銭的な問題はカバーいたしますよ」

「…僕にとっては嬉しいお話ですが…貴方は大丈夫なんですか?」

「経済力的には問題ありません。…部屋も余ってますし」

「いかがですか?」と首をかしげた彼女。「どうしてそこまでするんですか?」そう聞くと、彼女は微笑を浮かべる。

「私は家事ができないので、安室さんのような人が居てくれると凄く助かるんです。それに…別次元の世界の話も聞きたいですし…」

「お願いします」と頭を下げる彼女に、少し間を置いた後、腹を括って俺も頭を下げた。

「…こちらこそ、よろしくお願いします」

そう言った瞬間、輝き出す彼女の目。
まるで、新しいオモチャを買って貰った子供のような表情だ。

「ありがとうございます!!あ、えっとまだ私の名前を言ってませんでしたよね。なぎり…凪里Aです。どうぞよろしくお願いします」

「あ、それと…」と彼女は続ける。

「取り合えず、靴を脱いできて貰えますか?」

そう言った彼女に、急いで謝ったということは言わなくてもいいだろう。



ーーーーー
やっとここまで来ました。本当にグダグダですみませんでした。ここから色々と話を進めていきます。

次はあの大学院生さんが登場します。乞うご期待あれ。

<18>→←<16>



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
195人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美華 - 更新頑張って下さい!続き待ってます! (2017年5月11日 20時) (レス) id: c90045752e (このIDを非表示/違反報告)
閃光の舞姫ラピスラズリ - 凄く面白いですね!続き、とても気になります!これからも頑張ってください!! (2017年1月29日 7時) (レス) id: 54b8368fd9 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きとても気になるです!更新頑張ってくださいね♪応援してます! (2017年1月5日 21時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして。都です。いきなりですいませんが、この作品、とっても面白いです。文章が、読みやすく、具体的で素晴らしいと思います。ぜひ、これからも頑張って下さい!応援しています! (2016年12月18日 9時) (レス) id: 94bc634eba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リッタ | 作成日時:2016年11月23日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。