24. The Story of episode ０ 『第3話 : BRAVE』【1】 ページ38
12月24日
午後7時48分
ハワイ発ニューヨーク行
到着予定時刻まであと一時間と少しとなった、AAL103便。
そのコックピット内で俺は
きっと雲の下に広がっているはずの美しい景色に思いを馳せることも出来ず
かつて経験したことのない事態にただ
全身を、震わせていた。
この便は、ハワイ発ニューヨーク便の往復便。
三日前の往路は、お客様を乗せて。
機長席には智くん。
コーパイ席には、俺。
｢いいねぇうらやましいねえ、みーんな幸せそうだねぇ｣
なんて、飛行機に乗せた、きっと楽しいクリスマス休暇を過ごすであろう恋人たちや家族連れを思い浮かべてふわふわ笑ってる智くんを横目に
黙々と副操縦士としての任務を、遂行していく。
｢おれもそのお手伝い、できてたらいいなぁ｣
……出来てるよ。
あなたの飛ばす飛行機に乗れた人たちはみんな
幸せなそう顔して、いいフライトだったーって、飛行機降りていくもん。
だからあなたはみんなを、幸せにしてるよ。
………俺も含めて。
そう、思ってはいたのだけれど。
今の俺に、それを伝える余裕はまったくなくて。
その想いに浸る余裕も、まったく、なくて。
ただずっと、ずーっと、黙ったままで。
｢見てしょーくん、海やっぱりきれい｣
返事もろくにしない俺にむけられたその
いつも以上に柔らかで
｢しょーくん、そろそろコール指示だすからね。あ、このあたりいつも気流安定しないから、ベルト着用サイン早めに出すからね｣
いつも以上に俺に細かく指示をくれる
そんなあなたの｢そう在る｣ワケにさえ半分気づかないふりをしながら
天使がその羽根を、ふわりと閉じるように着陸した飛行機にただ、身を任せていた。
｢しょーくんも少し、ゆっくりしたらいいよ｣
そう言って笑いかけてくれたけど
そんな気分にもやっぱり、なれないまま。
結局ホテルの部屋に缶詰めになって
マニュアルからＱRH、機体の取り扱い説明書にいたるまでを何度も何度も読んでは、ノートにまとめていく。
クリスマスに。
一年に一度の、クリスマスに。
ハワイに来て
しかも智くんと来て
そんなウルトラスペシャルな出来事が目の前にあるのに、飛び上がって喜んで、智くんをいろんなところへ連れ回す計画なんて立てていられない理由は、ただ一つ。
この便の、復路が。
俺の機長昇格試験の、テスト便、だから。
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みーこ(プロフ) - ふ、ふわふわ智に……かこーんがある！に、はあああああああ？な翔ちゃん……（笑）……猫ちゃんの飼い主探しのポスター……欲しい。 大事にちびちび読みたいです。おかえりなさいま (2020年11月14日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
沙菜(プロフ) - mioさん！更新ありがとうございます。コメント久しぶりでごめんなさい。やっぱりお空のお話の智くんとしょーくんはいいですね♪この二人の関係性、信頼感がたまらなく好きです。ちょっとしょーくんが切なくなっちゃってるけど、智くんの言葉を楽しみに待っています。 (2020年3月4日 22時) (レス) id: 81edae0004 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - mioさん、お帰りなさい。そして、ありがとうございます (2020年2月29日 23時) (レス) id: edc532eac7 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - みおちゃん、おかえり？いや、ありがとう！待ってたよ待ってたよ(#^.^#) (2020年2月29日 16時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 日生さん» 続→夢と希望と優しさを胸に、頑張って行きましょう！！……と、私もお返事しながら決意しております。こうして支えて頂けているから、また書いてみようかなと思えています。本当にありがとう。またいつでも、遊びに来てくださいね。本当に本当に、ありがとう。 (2020年2月29日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2018年4月15日 9時
