16. 櫻井“センパイ”のヒミツ。 ページ30
「うん。ふーりゅー」
「......いや、平仮名でドヤられても。笑」
あぶり餅がある通路は、
そのまま神社の東門に、繋がっていて。
平安貴族のお屋敷にありそうな門をくぐり、
牛若丸でも出てきそうなあの橋を短くしたみたいな朱塗りの橋を渡り、
現れた景色はなんというか、
豪華絢爛というよりは、質実剛健、な、雰囲気。
それでも与える印象は貧相でも質素でも力強さでもなく
多分、たおやかとか、清らかとか美しいとかそんなので
それをまるごとひっくるめて言えば、
相葉さんのいう「風流」が、ピッタリなんだろうなぁ。
......腕組みして仁王立ちして言うと、
なんか違うけど。笑
「すごいよな...」
「歴史の重みって、こういうことなんだろうね」
「平安遷都より以前から、ここにはお社があったんだって」
「ひょーー！！」
フライトで関西を訪れても、足を延ばせる機会がなかなかない、京都。
もっと年数を積めば、
時間の使い方も上手になって観光できる余裕も出来るんだろうけど、
まだまだ俺は今でも、
その日のフライトの反省にまとめのレポート、それから次の日の帰りの便の用意や予習で手一杯。
俺より自己コントロールが上手な潤くんでさえ、
空港のお土産売り場で物色が出来るようになるのにさえ時間がかかったくらいだから、
俺がそれを出来るようになるにはさらに、その倍くらいの時間を要した。
自分の不器用さを、
これでもかと思い知った、一年目。
二年目に入ってようやく、
少しずついろんなところへ足を延ばせる心の余裕が出てきたけれど、
基本インドアな俺は、
限られた短い時間で予定を立てること自体がどうも、ニガテな分野になってしまっていて。
だからこうやって、近くても遠い場所に連れてきてもらえて、ほんとに嬉しい。
「いやー、懐かしいな」
「櫻井さん、久しぶりですか？」
「うん。だって道も忘れかけてたくらいだし」
石畳だったり、砂利道だったり。
なかなかに歩きにくい境内を、
櫻井さんにつかまって歩く大野さんの歩調に、合わせて歩く、俺たち。
「しょーちゃん大阪にはたくさん飛んでたのにねぇ」
「いやいや、だって一年目の相棒がホテルに缶詰めで頑張ってるのに、
俺が羽伸ばすわけにはいかないでしょ」
「......えっ...」
その一言に、
思わず足を止めた俺と潤くんに櫻井さんは、柔らかい微笑みを、返してくれた。
17. 受け継がれるエール。→←15. それはやっぱりでいとのような。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーこ(プロフ) - ふ、ふわふわ智に……かこーんがある！に、はあああああああ？な翔ちゃん……（笑）……猫ちゃんの飼い主探しのポスター……欲しい。 大事にちびちび読みたいです。おかえりなさいま (2020年11月14日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
沙菜(プロフ) - mioさん！更新ありがとうございます。コメント久しぶりでごめんなさい。やっぱりお空のお話の智くんとしょーくんはいいですね♪この二人の関係性、信頼感がたまらなく好きです。ちょっとしょーくんが切なくなっちゃってるけど、智くんの言葉を楽しみに待っています。 (2020年3月4日 22時) (レス) id: 81edae0004 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - mioさん、お帰りなさい。そして、ありがとうございます (2020年2月29日 23時) (レス) id: edc532eac7 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - みおちゃん、おかえり？いや、ありがとう！待ってたよ待ってたよ(#^.^#) (2020年2月29日 16時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 日生さん» 続→夢と希望と優しさを胸に、頑張って行きましょう！！……と、私もお返事しながら決意しております。こうして支えて頂けているから、また書いてみようかなと思えています。本当にありがとう。またいつでも、遊びに来てくださいね。本当に本当に、ありがとう。 (2020年2月29日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mio
| 作成日時：2018年4月15日 9時
