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「それから？」
それから、に返ってきたこと。
「なんで俺たちの手が、かっさかさになってるのか」
「....えっ」
....それは、
気にはなっていたけど、気には留めていなかったこと。
「洗って消毒して、もう毎日何度もしてるからさ、もう手、がっさがさじゃん。
荒れてるなーとは思ってたけど、オンナノコじゃないからさして気にしてなくて、でも、」
でもいちくんはやっぱり、気になってたみたい。
その柔らかい声と、
それとは対照的に少し下がった眉に、
『ありがと...』の意味を、理解した四郎。
普段以上にいろいろなことを気を付けているのはもちろん、感染予防のため。
だけどやっぱり兄弟たちの心にあるのは、
一郎のこと。
リスクを抱える一郎を、守りたい。
その想いが兄弟たちを必死にさせていると言っても過言ではないけれど、
それはそれぞれにとって、当たり前に湧き上がる感情だから。
何度手を洗ったって手が少々荒れたってそれは、そうなるべくして、そうなったこと。
でも.....
「じろさんは....知ってたの？」
「うん。昨日ね、俺も招待された、一郎の極上おうちサロン」
「....なにそれ」
「開店来客第一号三郎により命名されたのだよ」
しかしなんだそのネーミングセンス、悪態ついてるところから察するに、
自分が第一号じゃなかったことはわりとだいぶ悔しいらしいけど、
それでも下がってるその目尻からすると、サロンは相当、嬉しかったのだろう。
「.....ありがと、って、言われた」
「うん、俺も」
「ごめんね、じゃなくてありがとって...」
「ありがとうにはありがとうで、返したかったんだって」
「....なんだよそれ...」
ふわりと微笑む二郎とは対照的に、
口を開けたまま、固まる四郎。
ふぅ、と息を吐いて、
窓越しの空を見上げたその瞳がいつもよりうるうるしているのは、
今日の月が満月だから、ではないかのかも、知れないけれど。
「やっとかよ....もう...」
すん、と鼻をすすって、
悪態をついて。
その口をむにむにして、
また、空を見上げて。
じわじわと溢れ落ちそうな涙を、
必死に零すまいとしているようなその可愛らしい姿は二郎にも、
温かな気持ちを、連れて来るのだった。
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マナ - 作者さんに質問です。あなたは茨城県北茨城市磯原町の出身、または住んでいますか？ (2021年11月27日 20時) (
レス) @page1 id: 8df98fa480 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - こんにちは。その後が気になっています。また、お時間あるときに続きをお願いします。 (2021年7月17日 17時) (レス) id: d5f4de7f1a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - ううっっ！ いちくーん。以上心の叫びでした。きっとこの先に幸せな未来が来るんだよね？ね？ね？心静かに待ちます。 (2021年1月14日 15時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - そか、マイガールだから、舞賀家か〜....なるほどぉ. (2020年8月13日 18時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - あっちゃんさん» 続)「うちのいっちゃん」なあの写真を想像しながら書いてるよ。なかなか筆が進まないことも多いけど、読んでくれたら嬉しいです。本当にありがとう！！ (2020年8月7日 14時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2020年3月12日 0時
