君との出会いを奇跡にしたいから 2

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「送らなくて大丈夫？」

『大丈夫。だって紫耀ひとりで帰れないでしょ』

「ごめんね、A」

「岸くん。Aのことよろしくね」

「おう！任しとけ！じゃあな。じぐひら」


遊ぶだけ遊んだ帰り、

赤く染った空の下でふたりと分かれた。


『じぐひらって呼ぶの優太くらいじゃない？』

「そうか？呼びやすいだろ？」

『知んない』

「そか！たまには使っていいからな！」

『使いません』


久しぶりに優太と並んで歩く帰り道。

横目に見えた表情はいつもと変わらない笑顔だった。


『あ、お母さん』

「お帰り。あら優太くん久しぶりだね」

「今晩は！お久しぶりっす！相変わらず綺麗で吃驚っすよ！」


こんな調子のいい事簡単に言うから優太はお母さんのお気に入り。

ほら、今日も満更でもない顔してる。恥ずかしい。と思ったら鞄の中を漁りだして優太に何かを渡した。


「最近ふたり遊んでなかったでしょ？これ今日抽選会で当たったから遊んでおいで」

「え！ガチっすか！？すっげー‥‥え、でも本当にいいんっすか！？」

『何、見して』

「遊園地のペア券！こんなん当たるなんてAのお母さんやっぱすげーな！！！」


いや ちょっと待てーーーーーい。


岸優太くん。はちゃめちゃに感動してるけど

私行かないよ？何その、やったな！みたいな顔。こっち見んな？

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