- 67 . ページ17
・
遊園地のグッズ売り場で似合うって、買ってくれるって、そう言ってくれた玩具の指輪。
こんな歳にもなって玩具の指輪なんてって思ったけど
嘘偽りのない岸先輩の笑顔に、それが素敵なものへと変わった。
それなのに
何となく分かってた。いや そうじゃない。気付かないふりをしていた。
指輪を私に押し返した岸先輩は倒れかけたAさんに誰よりも早く気付いて
受け止めた。
そんなの、ずっとAさんのこと見てたんだって、嫌でも分かっちゃうよ。
「あんちゃん、今どこ?」
その日、そう電話がかかってきた時点で覚悟は出来てたのに
汗だくになって家まで来てくれた先輩はいつまでも苦い顔したまま話だそうとしない。
「先輩。私の事可哀想な女にしないで、ちゃんと言って下さい。」
お情けなんていらないの。
「っ‥あんちゃん、ごめん。俺‥好きな奴がいる」
「はい。分かりました。」
分かってたのに、覚悟してたくせに、体は正直で涙が流れる。
「ひとつ聞いてもいいですか?」
「うん、なんでも聞いて」
「なんで私と付き合ってくれたんですか?」
「それは‥好きだったからだよ」
初めて先輩の口から聞いたその言葉は余計悲しみを誘った、けどやっぱり嬉しい
ちゃんと好きでいてくれて良かった。
「俺も聞いていい?」
「はい、勿論です」
「なんで俺なんかに告白してくれたのかなって」
「それは、先輩との出会いを奇跡にしたかったからです」
「え?」
「ある人に振られた時そう言われたんです。最初は意味が分からなかったんですけど、岸先輩と話すうちに意味がわかったような気がして」
「そっか‥」
「だから、先輩もその好きな人との出会いを奇跡に変えてくださいね!応援してます!」
なんてかっこつけすぎたかな?でも先輩が誰の事を見ていようと誰を好きだろうと
この一ヶ月。私はあなたの隣にいられたことが幸せで、後悔なんて少しもないから。
621人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずき(プロフ) - みょん氏さん» すみません!個別で結構です( ; ; )嬉しいです、ありがとうございます! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - みずきさん» そうですよね‥わたし的に選択制も視野にいれてはいたのですが、このお話は最後まで一応シナリオが決まっていまして、ですのでもしじんくんオチを書くのであれば選択制ではなく個別に書いても宜しいでしょうか。本当にごめんなさい (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - さささん» そう言って頂けて本当に安心しました!感謝してもしきれません。暖かいコメントありがとうございました! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みょん氏(プロフ) - きゅんさん» 本当にいつもコメントありがとうございます!きゅんさんのおかげで頑張れています、これからもよろしくお願いします! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 3e1e1a76ac (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 一気に読ませていただきました…個人的にはじんくん落ちがいいのですが…( ; ; )( ; ; )( ; ; )結末選択制も視野に入れていただけるとうれしいです…!健気なじんさんにも幸せになってほしいです! (2019年9月20日 22時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みょん氏 | 作成日時:2019年9月12日 20時