わたしの隣 (ページ9)

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半分こページ9

『はーつかれた』

結局、ハヤマさんとお別れしたのはマンションに着くひとつ前の交差点で
家の所在はバレなかったけど

無駄に神経使った気がする
タダでさえ激務にやられたっていうのに

「おそかったね」
『うわ隼くんおかえりなさい』

「さっきの人だれ？」

隼くん見てたんだ

『会社の人、今日からうちの本社に来たんだって』

「へぇー」

降りてきたエレベーターにふたりで乗り込む

二人っきりの箱の中

はあ落ち着く
あ、だめだめ顔ゆるゆるになっちゃう

「顔緩んでるよ」

『やだ見ないで』

「いいことあったの」

『ふふ、内緒』

「なんだそれ笑」

でもAが嬉しそうならいいやー、ってそのままエレベーター降りちゃった

隼くんと別れてお互い自分の部屋に鍵をさして
突然蘇る空腹

『はあお腹すいた』

「え、食べてないの」

『え、食べてないよ？』
「こんな時間まで？」

『うん』

「えー、つらい」

『つらいよ、お腹ペコペコで倒れそうだもん』
「こんな時間に太るじゃん」

『やだ、またそんなこと言ってる』

「お前のためね」

『傷ついたよわたしは』バタン

もうお腹すきすぎて隼くんとの会話続けてられなかったよほんとに

「はい、これ」
『え、』

急に開いたドアからはさっきの格好のままの隼くん

『なにこれ』
「お腹すいてるんでしょ」

渡されたのはスーパーの袋

『くれるの？』

「ほんとは俺のだったけど要らなくなったし」

『え、そんなの悪いじゃん』

「どーせ、これから作るつもりだったんでしょ？ご飯」

『そうだけど...』

ん、って袋渡してくるから
すいません、って言って受け取る

「じゃあね」

『...寄ってきますか？』
「あたりまえ」

やだ、いくらなんでもズカズカ入りすぎだってば

「やっぱりそれ半分こしよう」
『いいけど、なにこれ』

「肉まんとー、あんまん」
『え、おいしそうじゃん早く食べよ』

自分から渡しといてやっぱり半分こって笑

ラグに座って後ろのソファーに手広げて寄りかかって天井見てる隼くん

「なに」
『いえ、なにも』

かわいいんだからほんとに