ハンバーグ ページ3
スーパーの袋両手に持ってびっくりするくらいゆっくり上るマンションのエレベーターに乗り込む
『うわ、』
「ちゃんと見ててよ、挟まれそうだったじゃん」
『ご、ごめん』
エレベーターに駆け込んできたのは
キャップにマスクの隼くん
芸能人仕様の隼くん
密室のボックスの中で隼くんの匂いに包まれる
「え、今日ハンバーグなの」
『やだ、勝手にひとんちのスーパーの袋覗き見しないでよ』
「えー食べたかった」
『えーいちおう2人分あるけど』
「ほんとに!」
ほんとは明日のお弁当用だったけど、隼くんそんなに残念そうな顔するんだもん
はあ、わたしって
つくづく甘いや
「手洗ったらすぐ行くから!」バタン!
喜んでるみたいで何よりだけど
そんなに早く来られたってハンバーグできあがらないよ
隣の部屋で隼くんがカバンを置く音が聞こえて
トントンって壁をたたく
朝、洗濯とか洗い物とか一通りやってくれて
《ありがとう》
って意味なんだけど
日に日に雑になってるよね、叩き方
でも毎日忘れずにやってくれてるのは何気に嬉しいよわたし
「はあ、ただいま間に合ってる?」
『早すぎるよまだ袋からひき肉さえ出してないよ』
「ダメじゃん」
『ダメじゃないよ、まったく』
あと20分は待ってほしいんだよなあ
「じゃあ先にお風呂入ってこよ、また来るね」
『わかった』
隼くんとしたことが名案だね
これでゆっくりハンバーグ作りに集中できる
『え、コショウ無いの、困る困る』
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作者名:はるまき | 作成日時:2018年4月17日 19時