幸せを運ぶ鳥はどこですか。2 【名探偵コナン】

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聞いてない、聞いてないよ湊。




「あぁ、Aちゃんの連絡先……っ、夢、みたいだぁ……」

「おい萩原しっかりしろ！ったく気持ち悪い奴だなぁー」

「嬢ちゃん、普段はもっとちゃんとしてる奴だから安心してくれ、きっと酔いがまだ抜けてないだけだと思うんだ」

「は、はい……」




蘭ちゃん２号が居るなんて聞いてないよ。



乙女かのように顔を赤らめ、歓喜の涙を滲ませながらスマホ画面をうっとりと撫でる萩原さんを、うわぁ…とドン引きした目で見る松田さん、そして、私に萩原さんのフォローをしてくる伊達さん。



おかわりのコーヒーを淹れようとキッチンに行った時の、萩原さんから繰り出された気味悪い言葉はいつの日かの蘭ちゃんを彷彿とさせた。


酔いが抜けきってないだけ？


本当にそうであってほしい。
じゃないと、私の精神的によろしくない！！




「酒は飲んでも飲まれるな、ですからね！」

「おう、本当に悪かったな…この仮は必ず返すぜ」

「嬢ちゃん、世話んなったな！」

「っふふ、Aちゃん、またね？」

「ははっ…お、お気をつけて」



呼んでいたタクシーに３人が乗り込むのを見届け、発車していくのを見送る。
３人とも、車内から手を振ってくれたもんだから私も振りかえす。



……さて、と。



家のなか、掃除しますか！！

後、湊にはきっちりと何か奢ってもらうぞ。


それにしても、最後まで酔いが抜けてなかったな萩原さん。




「……はぁぁ」




ま、いっか。


次会うときには、酔いが抜けてるだろうし、きっとあの気味悪い言葉は言ってこないはずだ。






＊

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