9-2 ページ2
*
気さくなベルさんは話上手で、あっという間に気が合い、話が盛り上がる。
隣に座る銀髪の人は、うるさそうに顔を険しくさせるが、口に出すことはなく煙草を吸っている。
さっきまでの不安は和らいでいた。
良い人だ、良い人だとは思うが……
なんか、危ない空気感がある。
口が避けても言えないが、この二人からはアクション映画に出てくるスパイの人達みたいな……とにかく、浮世離れした空気感がある。
三ツ星レストランとか、barとかに居そうなのに…なぜラーメン屋。
てかラーメンまだ来ない。早く来て!!!
「そういえば、貴女の名前聞いてなかったわね」
「あ、えっと、AAと申します!」
「AA……素敵な名前ね」
「あ、ありがとうございます…」
美人の笑顔だめ!!心臓止まりかける!!
……さっきから銀髪の人からの視線が痛い。
お願いだ!!煙草の火よ、消えないで!!
なんか、それ吸い終わったら話しかけら、れ、
あ、終わった。
「おい、」「ひっ」
「お待たせしましたー!!醤油ラーメン3つですね!!」
「……」
いや、店員さん強者すぎ!!
ありがとう!!好き!!!
目の前に置かれる醤油ラーメンの湯気越しに銀髪のお兄さんの鋭い眼光に見据えられ、背筋にゾゾゾッと何かが走る。
「ん〜美味しそう!早く食べましょ!」
爛々と目を輝かせながらベルさんは、箸を器用に動かして口へと運んでいく。
銀髪のお兄さんが箸を手に取り、視線が逸らされてからようやく息が出来た。
私も箸を取り、一口食べる。
「うんっまぁ…!!」
久しぶりのラーメン上手すぎる!!
醤油の香ばしい匂い、啜ったときに鼻腔を通過する何とも言えない食欲をそそる匂い。
口の中でじゅわっと広がる旨味!!!
また一口、また一口、少しだけスープを飲んで…かーらーの、麺!!
さいっこう!!!生きててよかった!!!
「っふふ、美味しそうに食べるわねぇ」
「…フンッ」
「っ、んぐ」
銀髪……わら、……笑った?
唖然としてれば、銀髪の人が不適な笑みを浮かべて、反射的に麺を噛まずに飲んでしまった。
「………俺の名前は、ギムレットだ」
いや、格好よすぎですってお兄さん。
*
869人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふらんすぱん - 応援してます!頑張ってください!! (4月13日 20時) (レス) id: 37d11ec695 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています😊 (3月27日 21時) (レス) @page8 id: 0017f58385 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - イメ画描きたいので夢主ちゃんと湊くん、聖山くんの細かい容姿を教えていただきたいです! (2022年4月22日 18時) (レス) @page8 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
そらね - 萩原にめっちゃ笑いました...とっても楽しいです!更新お願いします!!! (2022年4月19日 20時) (レス) @page8 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 萩原さんある意味笑えてくるんだが (2022年3月6日 22時) (レス) @page8 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水梨リンゴ | 作成日時:2020年4月24日 0時