始まりの合図 [SixTONES] (ページ21)

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俺よりも表舞台を経験していた6人はつらい経験をしていた

家族のことで言われ、やんちゃだと噂話ばかり先行して

でもそんな時俺らは7人で支えあってきた

7人でいれば世界は無敵だった

大好きだった世界を手放す俺はどうしようもなく怖くなって、

逃げ出しているだけなんだと気が付いた

彼らに何も言わずに自分勝手にいなくなろうとしているだけだった

携帯電話の呼び出し音がなる

滝沢くんからの着信だと分かり、スマートフォンをスライドさせる

『もしもし』

滝「Aさ、曲書いてよ」

『急に何を言い出すんですか』

滝沢くんはプロデューサーになってから、ジャニーさんみたいになった

急に思いついたことを言い出す

この電話だって、きまぐれみたいなものだろう

滝「これは前から考えていたことだからね、脱退前に何か残したくない？」

『俺は別に』

滝「いや、残せ。俺は残してほしいから曲を作ってほしい。Aがいた証を作ってほしい」

滝沢くんは俺がこっそり曲作りをしているのを知っていた

「その曲いいじゃん」と何気なく書いた曲を褒めてくれた

女だからいつか辞める時が来るかもしれない、その思いから作っていた

メンバーに、ファンに俺がいたことを覚えておいてほしくて、忘れてほしくなくて

『はい、作ります』