構ってください降谷さん【降谷零】新作予告の為の更新

◆04.クッションと残り香 ページ4

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降谷さんと私は、基本的に休みが合わない。



なんてったってあのトリプルフェイス様は忙しいし、私だってこれでも公安警察だ。それなりに忙しい。




だから、同じ家にいても、しばらく顔を合わせない、ということもしばしばあるのだ。







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…あるのだが、

……それにしても最近、降谷さんが不足している。





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あの意地悪なキスをされた夜から、どれだけの日数が経っただろうか。



あぁ…、あの日に戻りたい。

降谷さんに会いたい…、構ってほしい…、






最近はポアロの潜入捜査ばかりで、公安の方にはなかなか顔を出してくれない降谷さん。


色々面倒だから絶対にポアロには来るな、と諌められてしまっているので、会いに行くことも出来ない。







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彼の口から、たまに出てくる“梓さん” という女性の名前。どうやら、バイト先の年下先輩らしい。


話を聞く限り、少し天然で、おおらかな可愛らしい人。




最近じゃ、彼女の方が降谷さんと一緒にいるだろう。






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それに、蘭ちゃんや新一くんの話だと、安室さんはとても優しくて、人がいいらしい。


仕事でとちった私を睨みつけてくる、あの冷酷な降谷零とは別人、というわけか…。






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お客さんの中には彼目当てで来ている人もいるだろうし、

もし可愛い子に言い寄られたりしたら、彼はどうするのだろうか…。







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降谷さんが、仕事とプライベートは完全に分ける人間だ、ということは分かっているが、

…気になってしまうものは仕方ないのだ。






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ｶﾁ…、ｶﾁ…

私しかいない静かな部屋に、
時計の音だけがやけに大きく室内に響く。







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｢……今日も遅いのかな…ぁ｣







彼の愛用のクッションを、ぎゅっ…っと抱きしめてみても、降谷さんの匂いなんてしなくて、更に切なくなるだけだった。








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