構ってください降谷さん【降谷零】新作予告の為の更新

番外編 《年長者の微笑み -K-》 ページ28

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風見side









風見｢…ご機嫌だな。｣

｢そうですか？｣






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Aと、資料室で降谷さんに頼まれていたものを探していると、不意に聞こえてきた鼻歌。


頼まれた大量の資料にげっそりしている俺とは裏腹に、こいつはとってもご機嫌だった。






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風見｢良かったな。和解して。｣

｢よく分かりましたね…！超能力ですか…？｣



風見｢そんな緩みきった顔を見てりゃすぐ分かる。
お前をそんな顔に出来るのは降谷さんだけだ。｣






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“降谷さん”
という言葉を出しただけで、更に幸せそうな顔をするA。…よくこれで公安が務まるな…、と呆れる。








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降谷｢おい、資料集めに何分かかってる。｣


風見｢降谷さん…！すみませんもうすぐ終わらせます。｣


｢すみません｣






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仕事モードの降谷さんが資料室に入ってきた瞬間に、こいつも仕事モードのスイッチが入った。

この切り替えは、さすがとしかいいようが無い。








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……にしても、






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Aの耳の後ろにある、虫刺されのような紅の跡。



…あれ、絶対降谷さんの仕業だな。
当の本人は気づいていそうにないし……、



髪の毛で隠れていて、普通にしていたら見えないが、
髪を縛ったり、乱れてたりするとたまに見えてしまう絶妙な位置。




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さっきそれに気づいた女性部下2人が、きゃーきゃー言っていたのを俺は見逃さなかった。







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降谷｢早くしろ。西野、ついでにこれもまとめとけ。｣

｢あ、はい！分かりました。｣






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若くして公安警察を総括するほどの実力を持つ降谷さんと、そのエリートの右腕とも言える西野。



この二人がお互いにどれほど想いあっているかということを知る人は少ない。(本人達ですら気付かずにすれ違うくらいだ。)







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今だって、俺と資料室に向かったはいいが、想像以上に彼女の帰りが遅く、心配で駆けつけたのだろう。








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……まぁ、一番の年長者として、これからも温かく見守っていくか。









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番外編 年長者の微笑み 《完》





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