【鬼滅の刃】虚空ノ月光

43.儚い音 ページ46

目の前で人の命が小さくなっていく音は、すごく儚い。


ポロポロと落ちていく音。



聞くだけで、苦しい。




「オオオオオオオ!!!」




煉獄さんが動いている。


まだ闘ってる。



「ｯ...！！」




刀を強く握りしめて力を脚に込めた。


この一撃だけでいい。




もう闘えなくても、




この一撃で煉獄さんを助けることが出来ればそれでいい






















＿＿雷の呼吸 壱ノ型＿＿















「伊之助動けーーーっ!!


煉獄さんのために動けーーーっ!!!」





＿＿霹靂一閃!!＿＿





猪の子の攻撃よりも、私の刀が先に届いた。

鬼の頚を刀で斬り裂く。


けれど、刀は簡単には通らなかった。



煉獄さんの刀も刺さっているというのに



あと数センチなのに






届かないｯ...!!




＿＿獣の呼吸 壱ノ牙＿＿


＿＿穿ち抜き...




猪の子が、煉獄さんの背後に見えた途端





鬼は消えた。




上だ。





真上。





判断を間違えた。




あと一撃なのに。







たった一撃...





脚はすくんで立つことも出来ずに地面にぺたりとつく。


刀は真ん中の辺りから刃先がなかった。



煉獄さんの刀も私の刀も鬼の頚に刺さったまま。



もう私は、









闘えない。

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