【鬼滅の刃】虚空ノ月光

37.上弦の鬼の音 ページ40

鬼の音。


これは...上弦の鬼の音だ。



武者震いがする。



嫌だ。




怖い。






煉獄さんの音が鬼の近くで聞こえる。




嫌な音がする。





何か、嫌な気がする。












「ぜ...ｯ我妻くんは乗客の安全を確保してください!!


全員の安否確認が出来たら他の隊士と待機!!絶対に動かないで!!!」




怖くて、恐ろしいけどそこへ向かって走る。


本当に嫌な音がする。



怖いんだ、怖くて仕方ないけど





この音は恐ろしすぎる。



逃げ出したかった。






違う、私は逃げた(・・・)んだ。




善逸から逃げた。







あの冷たい音が怖かった。



恐ろしかった。





涙が、溢れ出た。







向かっている途中、目の前で猪の被り物を身につけた子が乗客を助けているのが目に入った。




「あ おいてめぇ！そこの！お前！隊士なら手伝え！」



わたっ...私柱なのに！


心の中で叫んだ。



が、助けなければならないのはわかってる。

猪の子が乗客を運んでいるのに手を貸した。




「車輌にはあと何人残っていますか！」


「知らん！今自力で出れそうな奴は自力で出てる！

だが全員俺様が助けてやるんだ！」




恐怖が少し薄れた。


この子は不思議な音がする。


どうすれば言い表せれるか分からない、何処と無く綺麗な音。





「何ジロジロ見てやがる！見んじゃねえ！」


「わｯ...私ちなみに柱ですが!!」


「は...あんだって！？」


「柱ぁ!!!」






__ドォンｯｯ__








「ｯ...!!」


「！？」




先程よりも大きい音が響いた。


煉獄さんの刀が何かに衝突した音。







闘ってるんだ。





「あ...貴方はここに居て！」


「はぁん！？俺も行くぞ!!」


「人命優先!!」




後ろでは猪の子が叫んでいる。


けれど私は急いで音の方向へと走り出した。

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