【鬼滅の刃】虚空ノ月光

36.狼狽える音 ページ39

「もう汽車は安定した！乗客も皆無事だ！


俺は竈門少年と猪頭少年を探す



Aは黄色い少年と竈門妹を探した後に乗客の安全を確保してくれ！



出来るか？」






呆然としていた私の意識は瞬時に引き戻される。






何してるんだ、何してるんだ!!


柱の自分がしっかりしろ！



両頬をバチンと叩く。





「出来ます！ごめんなさい もう大丈夫！」





煉獄さんは優しく笑った。


二人で手分けして全員無事に助けるんだ。



先ずは探すんだ、善逸達を。


音でだいたいの場所は分かってる。



探しながら乗客を安全な場所に連れ出す。



柱の私なら出来る



大丈夫！！









「居た...！」




善逸は、竈門くんの妹や乗客を護るようにして倒れていた。


全員の心音は聞こえる。


大丈夫、みんな生きてる。




「しっかりして！みんな!!」



横たわる全員に呼びかける。


真っ先に目を覚ましたのは、





善逸だった。


ゆらりと起き上がって私を見上げる。





「良かっ...」










































「誰だ あんた」














安堵の息を吐いた途端だった。


善逸の口から




酷く冷たい音が吐かれた。




バクバクと己の心臓がうるさい。


やめろ、狼狽えるな。


当たり前だ、姉がいるなんて知らないんだきっと。



私の事なんか見たことないのだから。



落ち着け


私は空柱(うつばしら)なんだ！



今は揺らぐ時じゃない!!





「っ私は...」









__ドォン__






私の言葉をかき消すように、大きな音が地響きを立てて伝わった。

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