【鬼滅の刃】虚空ノ月光

27.嫌な音 ページ30

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「あれぇ？まだ他に居たんだ」


目の前の鬼が笑っている。

嫌な音だ。


汚い音。



醜い音がする。




瞬時に刀を構えた。



走る列車の上。




足場が悪いところほど私の型は役に立つ。




落ち着け。


落ち着けば倒せる。


十二鬼月だろうがなんだろうが、私にはできる。




怖くて手が震えるけれど、今はそんなこと言っていられない。






「君も夢を見る？そうだなあ...


















弟の夢がいいかい？」





...は？



今、なんて言った？






「今君の弟が幸せな夢を見ているよ


姉との幸せな夢




姉との普通な暮らし








君も弟との幸せな暮らしの夢を見たいなら見せてあげるよ」





目の前の鬼がゆらりと手を動かす。



弟との幸せな暮らし？









夢？










「そんなもの...要らない!!」







＿＿空の呼吸 壱ノ型＿＿







＿＿滑空錯乱＿＿








一瞬で鬼の目の前に迫り腕を斬り落とす。


鬼の音が変わった。


信じられないとでも言いたげな顔をして。





「夢で幸せになんかなりたくない





現実であの子と幸せに暮らせなくても










あの子が居たら私はそれで幸せなんだ!!」





すごく腹が立つ。


夢で幸せを見ることがその人の幸せだったとしても、現実から目を背けさせるなんて許さない。



ここは夢の世界じゃない！






現実なんだ!!














「悪鬼滅殺








貴方は...私が斬ります!!」

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