【鬼滅の刃】虚空ノ月光

11.繭の音 ページ14

しのぶさんが既に鬼の真後ろに居た。


私...



私は！？


とりあえず着地...!!




巨大な丸い玉の上に落ちそうだったから、呼吸で軌道を変えた。


丸い玉のすぐ近くに着地する。



これ...。


何の匂い？


繭？？



中の匂いがキツイ。



なんだろう。






「Aさん その繭の中には人が居ます 刺してください！」




子供の鬼の手から出ている繭を避けながらしのぶさんが言った。


人！？

どこに刺せばいいか分からないけど刺さりませんように！


刀を引き抜き、勢い良く剣先を突き刺す。

その瞬間、どろっと中から液体と共に人が出てきた。



「ぎゃあ!!」



死体！？死体じゃないよね！？

大きく咳き込んでるから多分違うか...。



「あれ...村田君!?」



先程、女の人を背負って下山すると言っていたはずの村田君が居た。



「ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ あ...あのｯｺﾞﾎｯ」


「あ 無理して話さなくていいよ！大丈夫？」


「だ...大丈夫です ｹﾞﾎｯありがとうございます」





鬼の方はしのぶさんに任せておいて大丈夫だろう。


自分が羽織っていた羽織を村田さんにかけた。




「服溶けただけで良かったですね」



青ざめた顔で体を丸めてる村田君。

かけてあげた羽織で申し訳なさそうに体を隠していた。



「山降りたんじゃなかったんですか？」


「いえ... 俺も一応隊士なので...
あの人を隠の人に任せて戻ってきました」



ああ...この人凄いよ、偉いよ、隊士の鏡だよ。




「Aさん？」




あ...。



私の後ろから、





憤怒の音が聞こえた。

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