54.幽霊の音 ページ9
目を覚ました時、真っ先に飛び込んできたのは玄楽さんの顔だった。
声にならない声を上げて飛び起きる。
遠ざかると、溜息を吐かれ呆れたような顔をする。
「騒ぐな 愚か者」
「だだだだだだだっ...だってッ...ゆゆゆゆゆゆゆゆゆうッ...幽霊ッッ」
勢い良く舌打ちをつかれる。
この男ッ...なんなんだ本当に!
音のしない=生命がない
ということだ。
なんでハッキリと見えるの、なんで話せるの!?
怖いよ!!!!
「もう朝日が昇ってるぞ
いつまで寝惚けているんだ」
「えッ!!?」
朝日が昇ってるって...私は真夜中ずっと寝てたってこと!?
何をしてるんだ本当に...。
いや、音が聞こえていればきっと起きれた。
この人音がしないから!!
「調査結果もなく帰れば怒鳴られるだろうなァ
気の毒だ
さっさと帰れ」
嘲笑うかのように笑った男は瞬時に無表情になって私に背中を向けて去って行った。
このッ...
腹が立つのを頑張って頑張って抑えた。
鬼じゃ無ければいい。
構うだけ無駄だ。
それよりもお館様に報告だ。
自分の鴉を呼んでお館様に伝えるように飛ばす。
さて、帰るか。
「.......」
これ、どうやって外に出るの?
玄関が見た限り見当たらない。
歩き出そうとするが、この屋敷真っ暗だ。
朝日が昇ったとしても陽が当たらない場所は真っ暗。
「...もしもーし...幽霊さーーーん...
帰り道は...
やけにしーーーんとした屋敷。
虫の音しか聞こえない。
これあの人以外の亡霊も出る。
絶対出る。
庭園の草陰からガサガサと物音。
「ぎゃああ!!!」
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏...!!!!!
ダメだ、涙出てきた。
私なんでこんなに弱いのかなぁ。
もう嫌だよ。
「おい」
頭の上から声が降ってくる。
顔を上げると、眉をしかめた玄楽さんが居た。
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イーナ(プロフ) - めっっちゃ面白いです!!善逸くんと夢主のこのもどかしい感じがたまらないです!!更新待ってますね!!ゆっくりでもいいので更新して下さると嬉しいです!!気長に待ってますね♪ (2019年10月10日 14時) (レス) id: 4e47db8a66 (このIDを非表示/違反報告)
冬花 - 面白かったです。続き待ってます! (2019年9月10日 4時) (レス) id: 19920e3331 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 月夜 黒輝さんコメントありがとうございます!気づいていただけたこと本当に嬉しく思います。欲しい言葉も頂けて感極まります。近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください。本当に気づいてくださってありがとうございます! (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
捺稀(プロフ) - 美桜さん» 美桜さんコメントありがとうございます!大変お待たせしてしまい申し訳ございません、近いうちに更新致しますので今しばらくお待ちください (2019年8月7日 10時) (レス) id: 49f76c2279 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - これって貴方の鬼滅の刃の小説全部繋がってますよね?多分だけど...。なので全部読んでる時楽しかったです!作品自体もすごく良かったし別の作品の夢主ちゃんが出てきたであろうところは、ああぁぁってなりました!続きをいつまでも待ってます!更新頑張ってください! (2019年7月18日 2時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月4日 17時