Kleinod Ⅴ (ページ42)

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ED:「Schmuck」ページ42

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何で、自分の理想の世界のはずなのに、くすんで見えてしまうのだろう？
その理由なんてどこにもない、わからない、どうしたらいい？
…夢でさえも、自分の思い通りにならないというのなら、これは間違った判断だって言うの？
――ねぇ、大我、起きてよ、
遠くで聞こえるのは誰の声？…これは、ジェシー？うるさいなぁ、相変わらずうるさい。

――大我、あのね！「6人」また元通りなんだよ、俺頑張ったんだよ！
そんなご都合主義みたいなハッピーエンド、ある訳ないじゃんか。
それに、現実に戻ったら、また色のない、無彩色の――
京本(…ここでも、思い通りの世界じゃないのに？)

夢の世界には、自分1人だけだった。
いつもは夢の中にもみんなが出てくるはずなのに、今いる基地は自分1人だけだった。
どうして。自分が「6人」でいる事をどこか諦めてしまったから？
また1人ぼっちで、孤独に苛まれながら過ごさなきゃいけないの？
――…だからさ、勝手に死んじゃわないでよ。俺、寂しいよ。
あの大型犬はまだうるさい。
…あぁ、うるさいなぁ、そんなの、俺だって、みんながいないのは寂しいよ。

京本(…何で、ジェシーの声がするんだろう)
無意識的に、仲間の影を追っているからなのだろうか。
それとも、ジェシーがあの時あまりにも必死に「6人」でいたいと訴えたから？
京本(…6人、)
何かよくわからない、ぞわりとした感覚が襲う。

京本(…1人ぼっちで、こんなくすんだ世界、)
塗り潰したはずの色がどんどんと溶けていくように見える。
京本「こんなの、俺の理想じゃない、」
それなら、もし本当に「6人」でいられるのなら、
京本「無彩色の現実に戻った方が、100倍マシ！」

そうして夢を断ち切って、自分の理想の世界が崩れて、それで――

＊