Kleinod Ⅴ (ページ17)

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ジェシー「ネオン街かぁ…本当に高地いるのかな？」
田中「今の高地は高地じゃねえんだろ、じゃあ今までのあいつの情報なんて宛になんねえじゃねえか」
ジェシー「これで高地がウェイウェイしてたらどうしよう」
森本「その時は全力でいじる！」
京本「馬鹿、遊びで探してるんじゃないの俺らは」
目に悪いネオンの眩しさに目を細めながら、手当たり次第にクラブやバーに入って早や3時間。
依然尻尾を掴めそうにない「彼」に、本当にこのネオン街にいるのか不安になってくる。

田中「でもいくらあいつがそんな別人になれるって言ったって、そんな簡単に準備なんて出来ないでしょ」
京本「それに高地が本当に「詐欺師」だって言うなら、いる確率高いと思わない？」
森本「…まあ確かに？」
ジェシー「次ここ？」
田中「うんそこ。中々広いから身も隠しやすそうだと思うし」
潜入などで定期的にネオン街を訪れる田中の案内で、一同が入ったのは色んなものと複合になっているらしいクラブだった。

京本「持ち物点検とか何もないの？」
田中「まぁ、ここ合法スレスレだから」
ジェシー「ねぇ、2階には上がれないの？」
田中「あー、2階はね、VIP専用だよ。俺伝手あるから2階探してくる」
森本「ちょっと待ってVIPに伝手あんの！？」
田中「何年諜報してると思ってんだよ」

京本「じゃあ、VIPの方は樹に任せて俺らは1階…待って、俺北斗と外で待ってる」
ジェシー「え？」
後ろを振り向くと、松村がフルフルと震えていた。
現在人間不信にかなり近い状態の彼に、このクラブと言う大所帯は辛いらしい。
ジェシー「Oh…ごめんね北斗、気付かなくて」
森本「よし、俺とジェシーに任せろ！」
宥め、意気込む2人を見ていたら、松村が末っ子なんじゃないかと錯覚を起こしそうになる。

京本「情報入り次第随時報告、何かあったらすぐ行くから」
こうして3方向に分かれた5人は、広いクラブ内を探し始める。
数十分後、飛び込んできたのは
『高地見つけて今とっ捕まえ…れそう、2階奥のVIP専用のカジノ…のルーレットのとこ！俺の名前言ったら通れるようにしたから来て、下の名前』
という、何とか冷静さを保とうとする田中の声だった。