ステップブラザーズ3

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広臣side





ライブで壱馬の耳が良いってわかってから

前よりも興味津々に、俺の作業部屋に来る






曲を作ったり作詞をする中で

もちろん部屋で歌ったりするわけで…





ある日、事務所で仕事をしていて

壱馬は相変わらず、奥の部屋で待ってて

迎えに行くと、中から聞こえてくる

壱馬らしき人の声…？？








「誰よりも好きなのに…

誰も知らない、、、」






静かにドアを開けてる

やっぱり部屋には壱馬しか居なくて…






壱馬が歌った？



ちゃんと歌うというよりは

口ずさむような感じ？




ボソボソって感じだけど笑





でも…






「良い声してるじゃん」





壱「ﾋﾞｸｯ」





「何歌ってたの？」




壱「…」





「曲名わからないか笑」





「帰るぞ」






家に着いて作業部屋に壱馬と入った





「壱馬歌ってみてよ」





壱「ﾌﾙﾌﾙ」




「じゃあ一緒に歌お。おいで」





壱馬を膝に座らせて

音を流して、俺が歌い出す





「ほら壱馬も。ここには俺しかいないし

俺に聞かせてよ、壱馬の声」





壱「…」






壱「誰よりも好きなのに♪

誰も知らない…My love to you」






こいつ…無口だからあんまり

わからなかったけど、、、




イケボだし、良い歌声してるな…






「良いじゃん壱馬。良い声してる

歌ってさ、自分の気持ちを伝えられる

方法の一つなんだよ

辛い気持ちとか、嬉しい気持ちとか

そういうのを歌詞に乗せて

表現して歌うの」






壱「だから苦しい顔するの？」






「まぁそういう曲の時は

そういう顔もするかもね」






壱「悲しい顔も？」





「怒った顔も、全部だよ

曲によって違ったでしょ？」





壱「ｺｸｯ」






「そういうことだよ」






「まぁまだわからないかもしれないけど

やっていけば絶対にわかるようになる」







壱「…歌好き？」





「好きだよ」





「俺はお前と一緒で

あんまり喋れないからさ

ファンの人とか、世話になってる人に

歌で気持ちを伝えてるんだ」







何でこんな事話してんだろ…笑







壱「もう一回」





「ん、歌う？」





壱「ｺｸｯ」





「ふっ笑いいよ」






一緒に歌って、風呂に入って

同じベッドに入って寝た









それからというもの

壱馬は必ず1人でいる時に

聞き覚えのある歌を歌うようになった

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