近くて、遠くて。 (ページ35)

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慎太郎の荷物をかごに入れて、
私は荷物を背負ったまま慎太郎の後ろの荷台にまたがる

｢結構重そうだけど大丈夫？｣

『よゆーよゆー！！』

｢転びそうだったらすぐ言ってよ？｣

『わかったって(笑)』

その代わりちゃんと掴んでてって
私の腕を慎太郎のお腹にまわされた

これでも自転車の２人乗りなんて初めてだから
あまりの密着度に少しドキドキする

『よっしゃ！しゅっぱーつ！！』

最初こそフラフラしていたものの
すぐに安定しだした

｢風気持ちいね！｣

『え！？なんて！！！！』

｢だーかーらー！！｣

風のせいで声が聞こえにくいから
慎太郎に顔を近づけようとしたタイミングで、

慎太郎も私のことを横目に見るようにしてきたから

思ったより顔が近くてドキッとした

....なに慎太郎に今さらって感じではあるけど

その反動で仰け反っちゃって

『もっとくっついてって』

また慎太郎に強く腕を引かれて、

そのまま顔も背中に預けるようにもたれかかれた

｢....背中、大きくなったなあ｣

割と近い位置でずっと慎太郎を見ていたとはいえ
気付かなかった男っぽい体つき

『え！？なんか言った！！！！！？』

必死に大きな声を出す慎太郎に
なんでもないよって意味でお腹にまわした腕の強さを強めた

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