近くて、遠くて。 (ページ18)

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｢ってことがあってさ｣

翌日の昼休み、
例にならって３人に大我先輩とのことを報告する

『京本大我、って名前からしてかっこいいもんね』

私の話を親身に聞いてそれなりの返事をしてくれる心、
うん、いつも通り

『えーだったら田中樹もかっこ良くない？』

すぐ張り合おうとする樹くん、これもいつも通り

『.....。』

会話に入らないで黙々と弁当を食べ続ける慎太郎
....いつも通り、？

｢ねぇ慎太郎聞いてる？｣

『聞いてる、てか俺その話２回目だし』

｢それは....ごめんだけど｣

朝の通学途中に興奮が抑えきれず慎太郎には話してしまっていた

それにしても、だ。

｢朝もそんな反応してくれなかったじゃんか｣

『別に言うこと何もないから』

｢....慎太郎のいじわる｣

若干いや～なムードが漂ってる中空気読めない男がひとり

｢樹くんはなにニヤニヤしてんの｣

『いや、なるほどな～って思って、ねぇ？心ちゃん』

『言いたいことは分かるけど私は笑えないよ』

....ふたりして何が言いたいのか全く分からん

ため息を一つこぼした

｢....って、あ！慎太郎！｣

前から手が伸びてきて、
慎太郎が私のお弁当から玉子焼きを盗んだ

『うまー！Aの母ちゃんの玉子焼き大好きなんだよ』

さっきまであんなに不機嫌そうだったのに。

いつものことだけど慎太郎の喜怒哀楽は変化が激しい

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