近くて、遠くて。 (ページ17)

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『....話はこれで終わりでいい？』

｢はい、、、っじゃなくてあとひとつ！｣

『なに』

めんどくさそうに私に目を向けた先輩

....初めて目が合った

それだけで心がときめいてしまうけど
最後に一つどうしても聞きたいことがある

｢き、京本先輩の下の名前、知りたくて｣

『.....。』

｢あ、迷惑なら、｣

『大我』

｢大我、先輩か～、京本大我先輩....｣

『何回も言わなくていいから』

｢んふ、大我先輩って呼んでもいいですか？｣

『....お好きにどうぞ』

｢あ、私の名前は｣

『Aちゃん、でしょ』

朝名前見たから知ってる、って
さらっとちゃん付けまでしてくれた

｢ありがとうございます....｣

『もうこれでいい？喋るの疲れた』

｢あ、大丈夫です、ありがとうございましたっ｣

私がそう言うと
ソファから移動してそのままベッドにダイブしてしまった先輩

自由人だなあ、かわいい

｢....大我先輩、さようなら｣

勇気を出して名前を呼んでみた

そうするとむくっと起きて顔をあげて

『じゃあね、Aちゃん』

なんて片口角あげて言うもんだから
保健室を出てすぐそこの壁にもたれかかれた

｢～～～～～～～！！！！｣

声にならない声を押し殺して
下駄箱に行く

これはやばい、大我先輩、底なし沼だ

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