Give me a Green light,or...? -2- (ページ34)

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最初に見たときになくなってたから
人気者だからもらわれちゃってるんだなって思ってた

『好きな人に持っててほしいから』

｢いいの？こんなに大事なもの｣

『先生じゃなきゃやだ』

私の手のひらにボタンを入れて、
そのまま上から手を包み込んでくれている

｢そっか、ありがと｣

『捨てたら怒るからね』

｢わかってる(笑)｣

『....もし、』

｢うん｣

『もし俺と先生が再会するときがあって、』

｢うん｣

『お互いに大切な人がいなかったら』

｢....いなかったら？｣

『俺と先生は運命ってこと』

｢そんな日、来るのかな？(笑)｣

『運命だったら来るよ』

真剣な顔でこんなキザなことを言う森本くんを見て
そんな未来が来たらいいのになって思った

｢...ねえ森本くん｣

『なに？』

森本くんの手をまたギュッと握り直す

｢....森本くんは、私にとって特別だったよ｣

『....ほんとに？』

相変わらず真っ直ぐに私を捉える森本くんの瞳

森本くんが好き、だけで終わらせてくれた優しさを
なくすことはしたくないから

｢ほんとだよ、
....森本くん、かっこ良い先生になってね｣

私も自分の想いには蓋をすることにした

目の前の森本くんは目をウルウルさせている

｢卒業式でもクラスでも泣いてなかったのに
なんで今泣くの(笑)｣

『....先生と、離れたくない、』

｢....運命だったら、また会えるんでしょ？｣

『そ、っかそうだった！絶対会える！』

目を袖で雑に拭って、
いつもの森本くんに戻ってくれた

これでこそ私の好きな彼だ

｢じゃあね、森本くん｣

『うん、ばいばい先生』

運命なんて言いながらも、
森本くんも〝またね〟なんて言うことはなかった

森本くんのいなくなったこの部屋は
とても広く感じて、鼻がツーンとした気がした

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