unusual (ページ8)

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先生が授業中に名指しで注意するのは私だけ

きっと先生は無意識なんだろうけど
そんなことにすら優越感を抱いていた

『…高橋さん、授業中。』

その言葉を聞きたくて、

必要以上に窓の外を眺めてボーッとして。

ほんと馬鹿らしいとは思うんだけど、
そうでもしないと授業内で先生と直接的な関わりが持てないから

先生に注意してもらうことで

先生の視界に私が入っているんだって認識できるし
ちゃんと私のこと見てくれているんだってわかる

そんな話をしたら凛には呆れられちゃったっけな

『じゃあ続き、I wish______』

先生に注意されて、それから先生に視線を移して目を合わせる

この瞬間だけはこの教室に私と先生しかいないような
気分を味わえる

嬉しそうな私を見て、ため息を落とす先生

…なんか2人だけの秘密みたいでいいよね

そんなことを考えながら受ける先生の授業はあっという間

だからほとんど内容は頭に入ってなくて。

でもそれを理由に週に数回、
放課後、先生に会いに行く口実ができたから私としては好都合

定期テストでも点数落ちてるわけでもないし

もうすぐ1年生が終わろうとしている今、

ずっとこんな小さな幸せが続けばいいなぁなんて呑気に思ってた

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