unusual (ページ38)

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『…思い出してんの？』

「…え？あ、ううん、悩みすぎてボーッとしてた(笑)」

まるで昨日の出来事かのようにいつでも鮮明に蘇るあの日々は

きっといつまでも色褪せることはない

良くないことだとはわかっているけど、

…どんなに樹との生活を重ねてもそれは変わらないと思う

『俺はさ、行ってほしいよ同窓会』

「……」

『んで、もうそいつのことを思い出す日がなくなればいいって思ってる』

「…樹」

『不安じゃねーって言ったら嘘になるけど、
仮にもお前この田中樹の彼女なんだぞ？俺から簡単に離れられると思ってんの？(笑)』

ドヤ顔でそんなことを口にする樹に笑ってしまった

でも本当なら笑えないくらいに本当に樹はモテる

今でもたくさんの女の子が
私と樹が別れる日を待っているんだろうし、

それくらい女の子に不自由ない樹がどうして私なんかのことを
選んでくれたんだろうっていつまで経っても不思議なくらい

「…高校の友だちみんなに樹のこと自慢していい？」

『うわー、したら俺もっとモテモテになっちゃうじゃーん』

「ねえ、樹も自慢してよ私のこと」

『えーやだよ地元のメンツに見せたくねぇ』

「だめだよ今彼女いるって牽制しとかないと！」

“んなの隠すに決まってんだろ”

冗談とは思えない顔つきでそんなことを言う樹を
攻撃するふりして横から抱きつく

『嘘だよ嘘、嘘に決まってんだろ』

「…ねえ樹？」

『ん？』

「同窓会、行くね」

『俺の彼女っていう自覚持ってな』

樹の目を見て頷けば、リップ音が鳴らされて

そのまま甘くて激しいキスのシャワーが降り注がれた

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