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『で?何があったの』
「……」
『今度はだんまりか』
小さくため息を落とした先生が頬杖をついて私を見つめる
優しく、小さい子を諭すような瞳だった
『心配してたのよ?今まであんなに引っ付いてきてた子が急によそよそしくなるんだから。…あ、もしかして彼氏できた?』
「違う…!彼氏なんていらないもん」
『あ…そう?』
いざあの話をしないといけないとなると上手く言葉が出てこない
もし、“彼女だよ”なんて言われてしまったら
私はどうすればいいんだろう
どうやったって上手く笑える気もしないし
これからまた今まで以上に避けてしまうに違いない
『…言いにくいことなら無理に言わなくていいよ、
ごめんごめん、ちょっと突っかかりすぎたわ』
これは先生なりの思いやり
…だけど私には先生と生徒、線引きをされた感覚になって
悔しくて考えるより先に口が動いていた
「…彼女!いたんでしたっけ、なんか、女性と楽しそうに歩いてるところ見ちゃって、あの…なんだろう、彼女さんがいるなら私と2人きりで会うのも良くないかな、みたいな」
『あー…もしかして夏休み期間中?』
……誤魔化さないんだ
女性と2人で歩いていたこと…否定しないんだ、隠さないんだ
居心地悪そうに鼻をポリポリかく先生
もうそれは認めてるってことじゃん
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年11月21日 23時