unusual (ページ18)

今日:1 hit、昨日:77 hit、合計:128,896 hit

18 ページ18

・

「んま、かき氷！ふわふわだね」

『ん、美味しいね』

予約時間ぴったしに到着したお目当てのかき氷屋さん

お洒落なソファに腰掛けて凛とゆっくり時間を過ごす

凛が口をムッと結んでスプーンを置いた

かき氷なんて、すぐ食べなきゃ溶けちゃうのに

『ねえA』

「…ん〜？」

『先生のこと、まだわかんないんだから、』

「あっほら凛急いで食べなきゃ溶けちゃうよ」

『…そうだね、って、そういうAの方が溶けてるけど』

「へ！？やだ！最悪！」

凛が私のことを心配してくれていることには気付いてる、

だけど今はもう先生の話はしたくなかった

先生のことを思い出すだけで

今あの女性と隣でどんな顔しているんだろう、
どんな話をしているんだろう、

…そんなことばかり考えてしまいそうで

「ねえ凛さ〜」

だけど考えないようにすればするほど
先生のことばかり頭に浮かんできてしまうもので

振り返って思い出せば凛には申し訳なかったなって思う

残りの夏休みは先生の言う通りいくつかオーキャンにも行った

だけどどれもしっくり来るものはなくて

学校で先生に相談しようってそう思うたびに
思い出してしまう先生のあの横顔

私は見たことのない表情

いつも以上に先生のことでいっぱいの夏休みだった

・