dream of (ページ41)

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田中『きょーも、危ないって』

京本『ずっと2人目掛けて滑ってた』

後ろから大我くんに抱き着かれた樹

言葉だけ見ると注意しているように見えるけど
声は甘々だしなんなら表情もすっごく甘い

京本『Aちゃん手離せないの？』

田中『きょも教えてやってよ、俺一旦1人で滑りたい』

京本『いいよ』

大我くんが返答するより前にこの場を離れていった樹

さっき松村くんの名前出したのも、
純粋に私から離れたかっただけなのね…

なんとなくそのまま樹の姿を追いかければ
松村くんと合流して楽しそうに笑い合う2人の様子が目に入る

最初は一緒に無理無理って騒いでたヤマちゃんも、

髙地くんを椅子に乗せてそれを押す形ではあるけど滑れてる

「ねえ私本当に中学の時は滑れてたんだよ」

京本『んは、いつの話してんの』

「だって樹が馬鹿にしてきたから」

京本『俺は馬鹿にしてないよ(笑)
ほら、じゃあまず片手離してみようよ』

左手を壁から離されて、大我くんの右手で掴まれる

手袋ごしだからモゴモゴしてなんか変な感じ

京本『一旦これで1周しよっか』

「すごいね大我くん、初めてなんでしょ？」

京本『いや〜けど滑れなかったらダサいっしょ〜』

「…ほら馬鹿にしてる」

京本『あー違う違う！そうじゃなくて、こうやって教えてあげたいじゃん？俺が教わる側なのは癪だから』

2つ目の角を曲がった先で壁にもたれかかる松村くんが見えた

「あれ樹は？」

松村『なんか椅子？持ってくるって言ってた』

京本『Aちゃん北斗のいるとこ壁ないからそこは右手離さなきゃだよ』

松村『あ、ごめん退く、……おっと』

ほんの数秒壁から手を離しただけでふらついてしまう身体

左手は大我くんに支えてもらってるものの、

自分の脚で前に進めなくてもたついていたら
右腕を松村くんから掴まれる

「あっ、ごめん、有難う」

それだけで右腕がジンジン熱くなる

京本『マジで下手くそやん(笑)』

「それは流石に馬鹿にしてるよね？」

京本『次両手離して1周ね〜』

「あ、話逸らした」

…さっきの樹の提案、断らなければ、なんて

楽しそうな大我くんを見て、そんな思いを隠す

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