dream of (ページ32)

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近づいてきた人影に目を向ける

｢なんか忘れ物？｣

松村『もしかして武内のやつ？』

｢あー…うんそう(笑)ごめんちょっと作業遅れてて、｣

ため息をついて私の前の席に戻ってきた松村くん

もしかして呆れられてる…？

松村『ずっと思ってたんだけど』

｢…はい｣

松村『“ペアワーク”ってわかってる？』

……怒ってますやん

松村『一緒にやるのがペアワークだよ』

そう言ってトートバッグからタブレットを取り出した

そして急にいなくなった松村くんを探しに戻った大我くんには

“俺も少しだけ作業して帰るから”

そう伝えていた

京本『…ふーん、そ』

松村くんに対してどこか不満げな表情を見せた大我くんは

ポケットに手を入れて、面倒くさそうにまた離れていった

松村『授業中もほぼ個人ワークじゃん俺たち』

そんな大我くんを気にする素振りを見せない松村くんはそのまま話を続ける

松村『最後に少し擦り合わせてるくらいで』

確かに、振り返ってみれば

ペアワークが始まった以降も特に2人で何かするでもなく
それぞれで調べて、考えて…みたいな感じだった

……ていうかシンプルに松村くんと2人で、ってのに私が緊張しちゃっているせいも全然あるんだけど、、

｢…怒って、ます？｣

松村『じゃあ怒ってる』

｢じゃあってなに、(笑)｣

松村『まあ細かいことはいいのよ』

私に指摘されて少しだけ恥ずかしそうにする姿が可愛かった

そしてそれから気づけば2時間近く、
2人で一緒に調べて、考えて、作業をしていた

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