dream of (ページ20)

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田中『A、お前次もここなんだって？』

「あ、うん」

講義室に戻れば、私と松村くんの荷物だけが残されて
皆部屋を出る準備をしていた

大我くんもリュックを背負っている

…なーんだ、私この時間1人か～～

『じゃあまた後でね』

田中『俺らもヤマと一緒に待ってるわ』

帰る準備を全くせずに本を読む松村くんが視界に入る

だけど樹も大我くんも、高地くんも何も言わないで
また後で～って手を振るからなんとなく振りかえして、

ほぼ人も移り変わってしまっているから松村くんに声を掛ける

「樹たち、行っちゃったけど」

松村『ん？』

…もしかして

「これ、取ってたりするの？」

松村『そうだよ』

一瞬だけ本から目を離した松村くん

そのほんの少し交わる視線だけで心を打ちぬかれた感覚になる

そっか、そうなんだ、この講義も松村くん一緒なんだ……

松村『…どういう顔？』

今度は怪訝そうな表情を見せられて一気に我に返る

多分、いや絶対今気持ち悪い顔してた

だって嬉しいって思っちゃってたもん、松村くんと一緒で

「別に？」

そんな自分を隠すように頬を叩いて席に座る

どうせなら隣に座ってもいいのかなとか思ってたけど
この感じじゃ絶対気持ち悪がられるし引かれる、うん、そうに違いない

そうやって気持ちを切り替えて前を向いて座ったはずなのに、

後ろから肩をポンと叩かれる

「どしたの」

松村『今日からペア活動らしいから』

「うん？」

松村『予約』

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