恋人ごっこ。-２- (ページ4)

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『あ！せっかくうちらとも浴衣着てるんだし写真撮ろうよ！』

『なにがせっかくなのかわかんないんだけど』

『もういちいち面倒な男だな～』

彼女の視線が私に向いた

まるで写真撮ってくれるでしょ？とでも言いたげな様子で

｢い、いいじゃん北斗撮ってあげなよそれくらい
私がカメラマンしてあげまーす！｣

無理やりにテンションをあげてみたり、

唇を噛みしめたりしてなんとか感情を抑える

なんだか悔しくてたまらなくて涙が溢れそうだったから

｢北斗もう少し近づいてあげて～！｣

『....ん』

『ほら北斗くんピースピース！』

フラッシュとともに何度かシャッターを切った

｢こんな感じでいいかな？｣

『え～有難う！ごめんね？彼女さんにこんなことさせちゃって。
そうだ！北斗くん写真送りたいからLINE、』

『いらね』

『....え？』

『てか、今はAとデートしてるからもういい？』

｢北斗、その言い方....｣

『もし俺が覚えてたら新学期にでもエアドロしてくれればいいから』

“じゃ、またな”ってもう一度私の手を繋ぎ直して歩き始めた

あんなに仲良さそうだったのにそんな態度とって良かったの、って聞きたいけど聞きたくなくて

『ねえ俺まだ全然お腹減ってんだけど』

笑ってそう言ってくれる北斗にただ笑い返して、

引かれるままに歩くことしかできなかった

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