恋人ごっこ。-２- (ページ12)

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『じゃあ食べさせてよ』

｢え？｣

『俺トングで両手塞がってるから』

｢箸に持ち替えればいいだけじゃん｣

『無理、てかAが箸持ってるんだからそっちの方が効率いいでしょ』

そう言って大きく口を開けて待機してる北斗

.....いやいやいやいや

あーんするのはまだ、１００歩譲っていいけど

この箸、私が使ってたやつなんだけど.....？

でもそんなこと全く気にする素振りもない北斗の様子に
自分が折れるしかない、ってそう思った

焼かれてるお肉の中で一番大きいやつを掴んで北斗の口の中に入れる

目の前で行われる北斗の咀嚼
よく噛むから小動物みたいで本当に可愛いんだよね

『ん！！』

｢どう？美味しいでしょ？｣

みるみる目が大きくなって笑顔に変わる北斗の表情

うん、やっぱり可愛い

『うんま！！！！』

嬉しそうに叫ぶ北斗の様子に私も嬉しくなった

あまりの美味しさにもっと食べたくなったのか
結局トングを置いて、自分の箸で食べ始めた北斗

最初からそうしなよって思ってけど
幸せそうな北斗が目の前にいるからその言葉は胸にしまっておく

全ての肉を食べてしまいそうな勢いの北斗に気付いたのか、
高地くんも愛花もこっちにやってきて

結局みんなで焼きながら食べることになった

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