恋人ごっこ。 (ページ31)

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『それで北斗くんのジャージ着てるのか』

｢そう、なんだよね｣

一連の出来事を全て愛花に話した

『いや～、にしても北斗くんズルい男だわ』

｢だよね、やばいよね｣

『お姫様抱っこの時点でびっくりしたけどさぁ....』

一目散に駆けつけてくれて、ジャージを着せてくれて、
人目も気にせずお姫様抱っこをしてくれて、
わざわざ自分の体操服を着させてくれて.....

こんなの普通の女の子なら勘違いしちゃう

私だってもしかして、なんて思いかけてしまった

でももうそんな勘違いする間もないくらい
北斗が私のことをそういう目で見ていないのはわかりきっていることで

｢....結構、しんどい、よね、(笑)｣

『まだわかんないでしょ？』

｢え？｣

『こういうのを通して北斗くん、Aのこと好きになるかもよ？』

｢....愛花は夢見過ぎ(笑)何年幼馴染みやってると思ってる？
今までそんなことなかったんだからもう今さらだよ｣

きっと私だけが北斗のことを想いつづけて

だけど北斗は私じゃない子と幸せになって、

そんなオチ

｢まあでも自分で決めたことだし、うん｣

『少しは努力も必要なんじゃない？』

｢....努力｣

『そう、好きになってもらえるような
それしてダメだったらもうしょうがないじゃん？
こんなの滅多にない機会なんだし頑張りなよ』

｢....愛花、｣

確かに私、今まで何もしてこなかったかもしれない

北斗が女の子として見てくれるような努力.....

せっかく彼女として隣にいれるんだし頑張ってみようかな

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