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『今日Aの家いい?』
「…あ、うん、…いや、今日は違うとこがいいな」
昨日から家に泊まるって言って聞かなかった母親
一応娘である人間がこんなに冷たい態度を取っているのによくもまあ
あんな飄々としていられるものだ
今日…というより当分は森本くんを家に呼ぶことはできない
母親が来ていること知られたくないし、会わせたくないし
『じゃあAの行きたいとこ教えて!』
だから察することすらしてほしくはないんだけど、
きっと何かに勘付いた森本くんは何も気にしない様子で笑いかけてくれる
「すっごく遠くがいい」
『遠く?(笑)』
「うん、戻ってこれないくらい遠くて知らない場所」
『仕方ないな〜、一旦俺んち寄ってもいいなら遠くいけるよ』
無理でしょ、って笑って流されると思ったのに
ていうか、私だって本気で受け入れてくれると思って言ったことじゃないのに
辿り着いた森本くんの家の車庫には一台の大きなバイクが置かれていた
『バイク怖くない?』
「免許、持ってるんだ」
『16になってソッコー取った!バイクカッコよくね?』
「…うん、カッコ良い」
カッコ良い…森本くんは本当にカッコ良い
いつも優しくて、心が綺麗で、
こんな私の傍にいようとしてくれて、
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時