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#エール ページ8

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「梅宮さん、もしこの後空いていれば…蝶屋敷に来ませんか?」


「、はい!是非!」






二人が去っていった後、取り残された私にしのぶさんはそう声をかけてくれた。

少し詰まるも、愛想良く返事をして彼女の横に立つ。






「それにしても、黒蜜さんは本当に時透くんのことが好きなんですね」


「……はい」


「彼女の愛情表現は真っ直ぐなので、彼に伝わるのも早いでしょう」






そうなのだ。

実際、無一郎も薄々は杏香から向けられる想いにも気付いてきている。



……あーもう、
なんでこんなに胸糞悪いんだろう。






「………貴方は、それをどう思っているんですか?」






ふと聞かれたその言葉に、一瞬体が硬直する。

恐る恐る横を見ると、まるで何もかも見透かしているような淡い紫の瞳に見つめられていた。






「それってどういう、」


「貴方は」






有無を言わせぬ物言い。









「嘘を吐くのがお上手ですから」









ふわり、綺麗な笑顔でそう褒められた。



バレちゃった、
なーんて頭が理解するより先に、









「意地悪な人ですね」









貼り付けた仮面が、崩れ落ちる音がした。



もう笑わなくなった私を見ても、しのぶさんは変わらず笑みを浮かべたまま。

…全くこの人は、末恐ろしい女だ。






「好きな人をあげるなんて、意外とお馬鹿なんですか?」


「腐っても親友ですから」


「美しい言葉ですね、‘ 親友 ’だなんて」






正直、その言葉さえ使えばどうとでもなるのだ。

私も杏香も、‘ 親友 ‘だからとお互いを利用し合っている。






「そんな捻くれた笑顔で、取られても知りませんよ?」


「ご心配は無用です」






という攻防を何度もしていると、あっという間に蝶屋敷へと着いた。

見慣れた頭を見つけ、駆け寄ろうとする私にしのぶさんは綺麗な声で言う。






「…抱え込まないでくださいね」






なに、それ。
最後に言うのはズルいでしょ。



思ってもいなかった彼女のエールに、私の目尻は熱くなってしまった。

#訓練→←#瞳



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Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時

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