検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:122,305 hit

#貴方です ページ25

.









.









「……師範に何の用ですか?」






私は今、しのぶさんと別れ杏香がいる病室へと足を運んでいた。

何故か杏香と部屋を分けられ、未だ彼女に謝れていなかったのだ。






「杏香、もう起きてますよね?」


「…そうですが」


「彼女と話をしたいんです」






だが、部屋の前に美樹さんが立ち塞がった。


どうしてこうも突っかかるのかは謎だ。

何故こうも敵視されているのかも。






「………少し、移動しましょう」






まるで杏香には聞かれたくないように、チラリと部屋を見て彼女は歩き始めた。


…そういえば、
私って前から嫌われ?てたんだっけ。






「貴方、……霞柱と付き合っていますよね?」


「えっ?」


「私、二人が手を繋いでいるところを見たんです。師範には言いませんから、教えてください」






ーーバレてたんだ。

よりによって彼女の継子に。


そりゃそうだ、美樹さんは杏香を慕っているから。







「…はい、そうです。私と無一郎は付き合っています」


「!」






けどさ、






「だからといって、嘘を振り撒かれるのはハッキリ言って迷惑です」






任務には支障を出したくないから。


すると、美樹さんはこれ以上ないほどに顔を顰めた。






「……貴方が霞柱といると、師範が苦しそうなんです。捨て子だった私を師範は救ってくれました。だから、師範にはいつも笑っていて欲しい」


「それでも…!」


「幸せそうな貴方には、どうせ分からないでしょう!?恋も実らず、一生残る傷を負い、親友の貴方にも裏切られる…!



これじゃあ、師範が可哀想ですッ!!

私は師範に幸せになってもらいたい!!!」









美樹さんは泣いていた。

私は、何も声をかけることができなかった。









「貴方が竈門くんを好きだということも、

任務に無駄話をして遅れたことも、

上弦の参に私情を挟んで単独行動したことも、



嘘を吐いたのは全部私です。

貴方を苦しめたのも私です。


でもそれ以前に、師範を苦しめたのは貴方です」









悲しそうな瞳で、彼女はそう強く言い切った。



ーー本当だ。

私、自分のことばっかで杏香を苦しめてた。




杏香は私に謝られて嬉しい?
無一郎はこんな私と付き合って楽しい?


誰が幸せになれるの??









「……二度と、師範に近付かないでください」









そう言った彼女の顔が、
今も頭の中に鮮明に残っている。

#罪滅ぼし→←#相違点



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (188 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
261人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 悪女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。