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#紅梅色 ページ19

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「さてA、どこから探索しようか」


「上弦がまたここへ戻って来る前に、出現する場所は把握しておきたいけど……」






どうにもこの里は、これといって注目するような所は無い普通な里だ。

まあ考えるよりも先に、聞き込みをした方が早いだろう。






「あの、少しお尋ねしたいことが…」


「んー?何だい、歳を重ねるにつれ耳が遠くなっていくものでなぁ」






そんな着物屋のお婆さんに、耳元で再度聞く。






「ここら辺で、人が失踪したりすることってありましたか?」






大きい声で言うとようやく聞こえたようで、うーんと首を捻って考え出した。

すると、何か思い出したような顔をする。






「昨日あそこの森に入った男が数人、消えちまったらしいねぇ」


「森…?」


「ああ、今の時期なら彼岸花が綺麗に咲いているじゃろう」






と目を細めたお婆さんにお礼を言い、私は別に聞き込んでいた杏香の元へと向かう。



彼岸花、ねぇ…。
今回の上弦はそんなに花が好きなのか?






「杏香、あそこの森だってさ」


「え、森?でもあそこに人なんて居ないと思うけど……」


「あるのは彼岸花だけ。でも失踪者が出ているし、少し見ていこうよ」






未だ不服そうな彼女の腕を引き、森へと歩を進める。






「彼岸花って有毒なんでしょ…?」


「うん、でも茎の部分は薬としても使えるらしいし」






成程!と理解した彼女に、私はふふんと胸を張る。






「さっすがA!じゃあきっと……、!!」


「!」






刹那、少し離れた所から強くて濃い鬼の気配がした。


急いで現場へ向かうと、何やら誰かと話しているような声が聞こえてくる。

すると、彼岸花が辺り一面に咲き誇っている、切り開いた地へと出た。









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「ーーああ、杏寿朗は確かに強かった」









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弾んだような男の声。

聞き覚えのある名前に、心臓がヒュッと縮まった。






「ん?誰か来たな…」






ゆっくりとした動作で、鬼はこちらを振り向く。

紅梅色の短髪を揺らした彼の目には、









『 上弦 』『 参 』









という文字が忌々しく刻まれていた。

#私は→←#上弦



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Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時

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