親友と好きな人が被った【鬼滅の刃】

#免罪 ページ15

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その日は、雨が降っていた。






「梅宮、少し話がある」






任務から戻り、帰路についたとき。

僅かに怒気を含んだような彼に、呼び止められたのだ。






「どうしたんですか？煉獄さん」






振り向くと案の定、眉間にシワが寄っている。


…怒ってる。
そんなことは簡単に理解できた。






「…お前という奴は………」


「？」






まるで必死に自分の気持ちを抑えようとしているような、そんな表情。






「煉獄さんらしくないですね。何かあったんですか？」






だが、その言葉は彼の地雷を踏んでしまったようで。






「梅宮、お前は人々の命を見捨てたらしいな！！」


「…………は？」






見覚えのない免罪を掛けられた。


何ですか、それ。
した覚えなんてありませんよ。






「見捨てるなんてそんなこと、」


「とぼけるな、それを見た証人だっている！柱としてその行動はどうなんだ！」


「……そんなこと言われたって…」






そして、無一郎にちょっかいを出しそのせいで任務に遅れ、沢山の人が死んでしまった等。

全く見当違いな話を引っ張り出される。



待ってください、
私そんなことしてませんよ。








「親友の想い人を盗ろうとした挙句、任務に支障を出し、そのせいで……


彼らの尊い命が鬼によって奪われた！！


柱のお前がもっと早くに行っていれば、こんなことにはなっていなかったろうに！！」








悔しそうに歯を噛み締めて、そう怒鳴った。

その姿に圧倒されるも、何とか震える声を絞り出し弁解する。






「ちがいます！誤解です！！」


「よもや！そんなことがあるものか！証人だっているんだぞ？」


「っはぁ！？誰ですかそいつ！？」






しまった、素が出た、
と気付いた時にはもう遅く。

彼は更に目を吊り上げてその名を口にした。









「黒蜜杏香の継子、花河美樹(はなかわみき)だ」

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