私が牛乳を飲む理由【北信介】

15パック ページ16

『治くん、侑くん。急に呼んでごめんな。』




私は宮兄弟をいつもの自販機の前に呼び出した。



『…ごめん。



私は2人の気持ちには答えられへん。



やっぱり私、北くんが好きや。

それだけは誤魔化せん。



2人の気持ち、ほんまに嬉しかった。

私は3年生で部活にも入ってなくて接点も全然ないのにこんな仲良うしてくれたし、

後輩でこんな仲ええ子できるの初めてやったんや。


せやから告白された時、もっと一緒にいたいって気持ちから返事ずっと先延ばしにしてもうた。



2人の気持ち聞いときながら、っ、さいっていよな、私。




…せやから、今日はちゃんと返事したくて、呼んだんや。



…ほんまに、ごめんっ！！』




私は深く頭を下げた。




やっと言えた…。



言えただけやから、2人に許してもらおうなんて思ってもない。



これから気まずくなっても…

それは自分のせいや。





治「Aさん。顔あげてください。



…なんや勘違いしてるみたいですけど。」




『え？』




治「俺、Aさんに振られたからって、

距離置くつもりも遠慮する気もないですから。」





侑「俺もです。

そんなん関係ないですよ。俺はもっと、


いや、俺らはもっとAさんとおりたい。」




顔を上げたら
2人はそっくりな笑顔を浮かべていた。




侑「ま！Aさんも北さんにちゃーんと気持ち伝えてから！

俺らの勝負はそこからや！」




治「…、まて。ツム。




お前いつの間にAさんに告白してたん。」



侑「え？



…あ。」




治「いや、あ、ちゃうわ。



…おい、お前…」



侑「いや！別に！？サムが告白したの聞いて焦って告白しようと思ったわけやないし！？

別に泣いとるAさん抱きしめて告白したとかそんなことあらへんし！？」



治「…ツム！！！お前！！！！」






『え、待って何でこうなるの。』







でもなんか前に戻ったみたいで



私は2人が喧嘩しとるのがおかしくって




笑った。





北くん、私、ちゃんと北くんに見せれる笑顔になったよ。

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