私が牛乳を飲む理由【北信介】

10パック ページ11

治side




ほんまにアホやないやろうか。





最初はAさんはただの北さんと同じクラスの先輩。


それだけやった。




けど北さんのために必死に努力するAさんを見て、こんな誰かのために一生懸命になる所が


いいなあと思った。




努力の方向がちょっとおかしかったけど。






でもその努力は俺に向けられたもんない。



それが悔しかった。




でも俺にもチャンスはあるんやないかって思って、聞いてみた。



「北さんと付き合いたいんですか」って。





その質問に答えるAさんは所謂、恋する乙女って感じで、そういうのようわからん俺でも
何となくわかった。




Aさんは北さんがほんまに好きなんやって。





でもなぜかAさんは俺が北さんを好きみたいなそっち系の想像に走ってしまった。





それもこれも、行動にうつさんやった俺が悪いんや。




せやからもう俺は隠さへん。




Aさんの両肩を掴む。




視界が俺でいっぱいになるように顔を近づける。



治「Aさん。


俺が好きなのは北さんやあらへん。





Aさんや。」









『……え…？』





あぁ、やっと俺にもそんな顔してくれた。





治「俺はAさんと付き合いたいって思うてます。身長差とか関係ない、好きやったらそんなん関係ないです。」




『す、すき…？』





どんどん俺の言葉を耳に入れるたびに


顔が赤くなっていく。






治「…せやから考えといてくださいね。」








『はっ、…い…。』








.



.



.


これが、俺の努力。

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