◆epilogue◆ (2019/06/17��) ページ33
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「智くん」
私の隣に並ぶマスターが声を掛けると、愛しいものを眺めるように視線を落としてしゃがみながら微笑む彼が振り向く。
「あ、翔くん」
「どう？また
「ん」
「そう……時期的にそろそろってとこだったからね……残念だけど」
「……やっぱ何回見ても慣れねーな」
「……同感」
大野博士の隣に並び、自分と同じ顔をして横たわる彼を見ているマスターから、複雑な思考回路が伝わってきて、人間というものは本当に複雑な造りをしているなと考える。
悲しみなのか、悔しさなのか。
それとも、そのどちらともなのか。
そこに横たわるのは、自分の役割を終えようとしている物体でしかないというのに。
「こら、A」
「なんです、マスター」
「この『俺』も生命体なの、物体だという考え方はやめろって何度も言ってるでしょ」
「何度も言いますがマスター、私にはマスターと博士達以外に大切なものはありません」
「俺も何度も言わせてもらうけど、お前がその考え方だと俺達いつか死滅するから止めてくれって言ってんの、俺達に万が一があった時に他の人間に興味無い状態だと人間居なくなるでしょ……そしたら今俺達がやってる事に意味が無くなる」
「ならば、何としても研究は続けて頂かないといけませんね、マスター」
「はぁ……だから頑張ってんだっつうの」
「んふふ」
人間とは不思議なものだ。
私の核も人間から作られたと聞いてはいるが、どうしてマスターや博士達のような思考回路を持ち得ることが出来ないのだろうか。
白か黒か、０か１００か。
私にはそれしか持ち得ない。
大切なものか、それ以外か。
守るべきものか、それ以外か。
他の人間達も大切なものと認識するようマスターと博士が修正を何度も試みているが、それが未だ上手くいかずにいるらしい。
「Aは頑固だったからな〜」
「智くん、それな」
「おれも気持ち分かるよ」
「智くん……ソレ言っちゃあオシマイなやつね」
「んふふ」
修正が上手くいくはずがない。
だって私の核となった『A』には。
マスターと博士達以外に大切なものなど無かったのだから。
マスターと博士達が種として残そうとしている人間は、私には理解を超えた存在だ。
何故、残さなければならないのか。
だって、この世界を壊したのだから。
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黒衣(プロフ) - pandakoさん» コメントありがとうです^^ こんな訳分からんお話を大好きだと言って頂けるなんて…！ありがとうです！書いてる私が迷子になってたのに(笑) そして勝手に私祭り(笑) なにしてもらえるんだろ〜？(笑) こちらこそいつもありがとうです！(*'ω'*) (2019年6月19日 2時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
pandako(プロフ) - どうしましょう。大好きなお話しが終わってしまいました(´；ω；`)寂しい気持ちを埋めるためには、"勝手に黒衣さん祭り"を開催しなければ！寝る間を惜しんで祭りに突入です(*≧ω≦)いつも素敵なお話しをありがとうございます。 (2019年6月18日 14時) (レス) id: 84ef7d4572 (このIDを非表示/違反報告)
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