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とてっ…と椅子から下りると。
体の後ろで手を組んで、体を左右に揺らしながら、私に志乃が近付いてくる。
んふふ…みたいな顔をして。
にっこりふわふわ微笑む様は。
まるで雑誌から飛び出してきてしまったみたいに見えて。
ソレを見て固まってしまった私を下から覗き込むように見つめると。
ふわ…と微笑んで。
かぁっ…と自分の顔が熱くなるのが分かった。
Ｏ「そんな好きなの？」
視覚がやられて、聴覚もやられかけてる私は、その言葉に素直に頷くしかなくて。
はぁ…と背後で盛大につかれた翔さんの溜息にも反応できない始末だった。
Ｏ「んふふっ……かーわええの」
ぽす…と自分の頭に乗せられた手に。
どこか夢心地になっていて。
ゆっくり近づいてくる志乃の顔に釘付けになっていた。
Ｓ「兄さん、そこまで」
後ろからニュッと出てきた両手に顔全体を押さえ付けられるように覆われて。
その手の向こうで「ふがっ」みたいな音が聞こえた。
Ｏ「……えぇ〜？」
Ｓ「智くん」
Ｏ「……怒んないでよ〜」
Ｓ「ダメだよ」
Ｏ「……はぁい」
ぺたぺた…と私から離れる足音がして。
それと一緒に顔を覆っていた掌が、目の前から消えていく。
その間も。
背中から体温が伝わってきていて。
それがドキドキと私の胸を鳴らす。
Ｓ「……あのさ」
「……はい」
翔さんの声が聞こえるのと一緒に、私の背中に感じてた温かさが離れていって。
声のする方に振り向けば、思ってたよりも至近距離にあった翔さんの顔に、また胸が鳴る。
Ｓ「あの人にはね、そういう意味でも気を付けて欲しいんだよね」
「……そういう意味」
Ｓ「長年の付き合いだけどね…あの人のフェロモン、自由自在なんじゃないかと思ってる」
「……フェロモン」
Ｓ「割とね、女を泣かせてるタイプだから、泣きたくなかったら距離感に気を付ける事だね」
「……なるほど」
そんな事を言ってる翔さんからも、フェロモン漏れまくってるんだけど…なんて思って。
すっ…と少し距離を取った翔さんがカチャ…と眼鏡を直す様なんて、美しい以外の何物でもない。
少し尖った唇と、少し鋭くなった視線が、まるで彼が拗ねているように見えて。
思わずクスッと笑ってしまう。
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やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年3月30日 6時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 卯奈さん» ありがとうございます！…って、わ〜(汗) そうですよねぇ…現状いつになるやらですが頑張りますね！ (2018年4月9日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
卯奈(プロフ) - とっても面白いです！でも次章がなくて一瞬がっかりしちゃいました。更新待ってますねー (2018年4月6日 18時) (レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» ありがとうございます！…とはいえ続きの更新がされてなくてガッカリされましたよね(汗) 現在更新中のお話が落ち着き次第カタカタしようと思っておりますゆえ、お待ち頂けるとありがたいです┏〇)) (2018年1月27日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ドキドキしてとても楽しかったです！次の更新も楽しみにしてます！！！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: aa634c2ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2017年3月1日 0時
