◇28 ページ28
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
私は、以前から知っていた事務所についての情報…とはいえ世間一般の人達と変わらない程度の事と、今日知ってしまった事を頭の中で整理しながら伝えた。
Ｓ「……そう、成程ね」
クイッと眼鏡を直すと、ふぅ…と小さく溜息をついて、少し見上げる感じで視線を投げ掛けてきた。
それは最初に感じたような緊張感みたいなものじゃなくて、私から何かを探っているような印象を受ける感じで…。
Ｓ「じゃあ、これから一緒に仕事をする上で最低限知って置いて欲しい情報だけ、今日は伝えておく…残りは徐々にね…」
ギシ…と音を立てて椅子に凭れると、指を組んだ手をテーブルに乗せて。
少しだけ顔を傾けて薄く微笑んだ。
Ｓ「Aさんが目撃した通り、ウチの二宮がモデルの『華夜』であり、メイク担当でウチの財務関係を殆ど担ってる」
「……はい」
Ｓ「で、『志乃』でもあり『Satoshi』でもあるのが大野智。ウチの出版物に関しては殆ど彼が担当しているのが現状」
「……はい」
Ｓ「で、雅紀は『秋』でもありウチの専属カメラマンでもあり、撮影場所の選定とかその他雑務全般を担当してる」
「……はい」
Ｓ「一応お伝えしておくと、３人ともそういう趣味がある訳じゃないから。それと３人の事は、外で本名呼び禁止だから注意するように」
「……分かりました」
手をギュっと握ったまま俯いていたら、ふっ…と息だけで笑う音が聞こえて。
つられるように視線を上げれば、クイッと左側の口元だけ上げてニヤリと微笑む櫻井さん。
Ｓ「……消したりしねえよ」
ギョッとして目を見開けば、あははっ！と楽しそうに笑いながら天井を見上げた。
Ｓ「ちなみに松本の事は？」
「……以前、雑誌で見ました」
Ｓ「なるほど…今はウチの広報で、表舞台に出るつもりはもう無いみたい…勿体ねえけど」
「……そうですか」
Ｓ「基本はアイツの事は苗字呼び…っつっても、俺らは松潤とか呼んでるけど」
「……分かりました」
Ｓ「んで、俺だけど…」
………ん？俺？
Ｓ「一応、ウチの会社仕切ってんのが俺。あと、あいつら３人の仕事のマネージングね」
社長サンってヤツね？と微笑む顔は。
やっぱり記憶に引っ掛かる表情。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年3月30日 6時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 卯奈さん» ありがとうございます！…って、わ〜(汗) そうですよねぇ…現状いつになるやらですが頑張りますね！ (2018年4月9日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
卯奈(プロフ) - とっても面白いです！でも次章がなくて一瞬がっかりしちゃいました。更新待ってますねー (2018年4月6日 18時) (レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» ありがとうございます！…とはいえ続きの更新がされてなくてガッカリされましたよね(汗) 現在更新中のお話が落ち着き次第カタカタしようと思っておりますゆえ、お待ち頂けるとありがたいです┏〇)) (2018年1月27日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ドキドキしてとても楽しかったです！次の更新も楽しみにしてます！！！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: aa634c2ad5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒衣
| 作成日時：2017年3月1日 0時
