いつもの席で -ss @fter 0125- ページ1
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
世間の人達は、
俺を恵まれていると言うだろう。
官僚として国の為に働く父親、国の文化の為に研究を続けながら教鞭を揮う母親。
社会的地位も確立、収入的にも安定、都内の一等地に持ち家。
歳の離れた妹と弟は非常に可愛く、文武両道で俺の自慢、両親とも愛情を注いでいる。
その環境の中。
容姿端麗、文武両道、友人にも恵まれ、何不自由ない学生生活を送る俺。
幼稚園からの一貫校、赤点補習留年なんて問題外、クラスでも校内でも俺が中心というのも過言ではない。
そんな俺。
両親との会話は殆ど無い。
仕事に邁進する事こそが家族の為…と言って憚らなかった両親。
だからか。
満点を取っても褒められ頭を撫でられた経験は皆無、むしろ当たり前。
部活で優秀な成績を修めてもキャプテンを務める事になっても、むしろ当たり前。
生徒会長に選任され、学校行事を主導で執り行う事になっても、むしろ当たり前。
意図的に授業を休んでも塾を休んでも成績は優秀、家に報告される事も無く。
意図的に部活を休んでも成績は優秀、親に報告される事も無く。
意図的に生徒会業務の殆どを自分以外の役員に割り振っても行事は成功、手腕を認められただけ。
そんな俺が。
家では「外面」を外した。
両親は「間違えた」とでも思ったか。
俺を育てた時に培ったであろう教訓を活かし、妹弟とは一緒に過ごす時間を優先した。
家の中で話さなくなった俺と、目も合わせない両親と、俺での失敗を繰り返さぬよう愛情を注がれる妹弟。
両親との会話を拒絶したのは俺の意思でもあり、それを改善させないのは両親に心当たりがあるからだろう。
両親に「愛されてない」とは思わないが、俺の将来までも拘束しているとも取れる決定は如何なものか。
そんな俺を、
世間の人達は恵まれている…と言う。
そうだね、恵まれてるわ。
綺麗な見た目と、ある程度鋭い頭脳も授かった。
見た目のお陰で蟻のように寄ってくる輩が後を絶たないがしかし、だからこそ下心ありきで俺に近付いてくる輩の選別が出来るようにもなったしね。
役に立ってくれる輩すらいるのだから、そいつらには感謝すらしている位だ。
俺は恵まれてんだとさ。
だからと言って。
今生きてるこの世界から、俺が愛されてるワケじゃねえけどな。
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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