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『でも……どこにあるの？』
「ん？契約書のコト？」
『うん』
「んふふっ……アナタさぁ、ワタシを誰だと思ってんですか……そんなモンはねぇ、こうするんですよ」
私から少し体を離したカズは、背中に回していた手も離すと、その手に視線を向けた。
その動きにつられるように、私も一緒に彼の手に視線を向けると、パチン！と指を鳴らした。
まるでその音に呼ばれたように、指先から小さな煙がポワッと現れたと思ったら……次の瞬間には１枚の白い紙に変化していて。
ふわりと浮いたその紙を指先で抓むと、ヒラヒラと前後に振って見せた。
『……真っ白だけど』
「そりゃそうでしょ、まだ契約結んでないし、説明もしてないんですから」
『…………』
「はいはい……」
彼の胸に添えたままになっていた私の手を取ると、ギュっと握って部屋の真ん中までぺとぺとと足音を鳴らして進んで。
床に置かれたローテーブルの前、敷かれたラグの上に２人して座ると、テーブルに紙を置いた。
「説明って言ってもね、実はそんなにないのよ、残念ながら」
『……そうなの？』
「まず、俺が吸血鬼だってコトは、不用意に言いふらさないで欲しいんだけど、大丈夫よね？」
『……言ったところで』
「んふふ、でしょうね……んで、他の輩にアナタの血を分けてあげたり、しないで欲しいのよ」
自分の体を少し斜めにしたカズは、私を覗き込むようにしながら頭をポンポンと撫でる。
どうしてだろう……。
さっき私を腕の中に収めてからというもの、カズから甘い雰囲気を感じてなんだか落ち着かない。
「もし、他の輩に噛み付かれそうになったら、すぐに俺を呼んで？」
『……名前を？呼ぶだけ？』
「うん、そう、呼ぶだけ……何があっても、どんな場所でも、お前のトコにすぐ行くから」
『…………っ！！』
彼の言葉を聞いて、彼の顔に視線を向けてみたら。
思ってたより……いや、予想してなかった位に甘い瞳で私を見ていて。
ドクン……と心臓が音を鳴らした。
「あとね……コレは起こらないで欲しいトコなんだけど、もし多恵が……」
『……うん？』
「…………」
『……カズ、さん？』
「……もし、俺らに不都合なコトがあったら、お前の記憶、消させて貰うから」
目を細めて、笑ってるみたいな顔したカズは、口元をくりんと上げた。
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黒衣(プロフ) - すいれんさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ 不定期更新ゆえ、お待たせしておりますが…(汗) 翔さんと歩美さんを気に入って頂けて嬉しい＆私もあのふたり好きなんです♪ また楽しんで頂けるように頑張りますね！ (2018年9月19日 2時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
すいれん(プロフ) - とても楽しく見させて頂いてます。次の松本さんの回がとても楽しみです！特にお気に入りのカップルが櫻井さんと歩美さんです。これからも頑張ってください！ (2018年9月15日 21時) (レス) id: a60a572cae (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» 小悪魔黒服サン、少し淋しい事を伝えてましたが…そんな事にならないと良いですよねぇ…。激甘でも振り回されても良いとは…(確かに！と思ってる)楽しんで貰えて＆私も好きな話なのでホント嬉しいです！(*'ω'*)♪ (2017年7月18日 13時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ぐちこさん» こんにちは！お待たせしてます(汗) 小悪魔さんが小悪魔してます♪彼の言葉選びは秀逸なので近付けられないのが心苦しいですが、するっと潜り込む術は私も欲しいです。そして私の所にも来て欲しいです(おい) (2017年7月18日 13時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 小悪魔…なんか少し淋しい事言ってましたね。記憶を消されるような事がおきなきゃ良いなと思います。とにかくあの小悪魔君が決めたオンリーワンなので、激甘でもいい！色々と振り回されても大丈夫！とにかくこのお話大好きです！ (2017年7月17日 20時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
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