◇5 ページ16
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……………カズ？」
リビングに行くと、いつもの後ろ姿。
ソファに凭れた豪快な寝癖をつけた頭がユラユラと揺れて眠そうにしている。
いつからかは覚えてないけど、俺が予知夢を見た時は必ず翔ちゃんが起き出してきていて。
俺がシャワーを浴びて出てくると、こうしてソファで眠そうに揺れている。
俺の何が翔ちゃんの何処に影響してるのかは分からないけれど。
いつもの事に安心しつつも、いつも申し訳ないな…という気持ちにもさせられる。
翔ちゃんの隣に腰を下ろして、撫でてる肩に頭を預ける様に凭れかかると。
俺の頭に翔ちゃんは頭を乗せて、んふふ…と息だけで笑って嬉しそうにする。
Ｓ「カズ………大丈夫？」
ぽんぽんと俺の膝を軽く叩きながら、翔ちゃんが俺の名前を呼ぶ。
翔ちゃんが俺を「カズ」って呼ぶのは、彼が寝惚けてる時だけなんだけど、それが擽ったい。
大人になってからはみんなニノって呼ぶし、「カズ」って呼ばれてたのは子供の頃位だったからかな…。
翔ちゃんの「カズ」って言い方がいつも優しくて、俺はいつもそれに甘えてしまうんだ。
「ん………大丈夫だよ………いっつもありがとね、翔ちゃん…」
Ｓ「ん………へーき………カズが大丈夫なら俺はべつにいい…」
「んふふ…そっか………」
Ｓ「やっぱ予知夢だった………？」
「うん、そうだね…人捜しの依頼くれた上島さんが誰かに脅されるかもしれない…」
Ｓ「じゃあ様子見に行かなきゃだね…」
「うん…もうちょっと…眠って………起きたら…行ってくる………」
Ｓ「そっか…分かった………」
くっついてる翔ちゃんの寝起き体温が心地良くて、ほぐれた緊張からまた睡魔が襲ってくる。
本来なら。
もう一度眠るのは怖いんだけど。
翔ちゃんとくっついて眠ると、不思議と安心して眠れるんだよね…。
翔ちゃん達がここに来た当初は、潤くんに物凄く警戒されたモンだったけど…(笑)
すぅ…すぅ…と規則的な呼吸が頭の上から聞こえてきて。
その呼吸につられるように、ゆっくり、ゆっくり眠りに落ちていく。
膝の上に乗せられた翔ちゃんの手をギュッと握って、ゆっくりと意識を手放していった。
その数時間後。
半ギレの潤くんに２人して叩き起こされるのもいつもの事なんだけどね…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» 逝ってしまいましたね…ジュンさんのおっしゃるような存在だったと思うので、そりゃあね…書いてる本人が切なくなってましたよ…。ニノちゃんのいろんな場面で傍に居てくれるのは、出来うる限り翔さんが良いな…なんて思ってます。 (2016年11月14日 18時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - しのぶが逝っちゃった。ニノにとってはお姉さんのような母のような師匠のような、どれもそうで違うような、大切な人だったのにね。今回もつくづく翔ちゃんが居てくれて良かったです。 (2016年11月14日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 櫻さとみんさん» わ〜！ありがとうございます！朝から雪ですか！そりゃ寒い…Σ(ﾟдﾟ；)体調などお気を付け下さいね？そこそこな(笑)ムロ鍋美味しそうですよね♪た、多彩！う、嬉しい…(;Д;) 頑張ります！ありがとうございます！ (2016年11月5日 13時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻さとみん(プロフ) - 黒衣さま こちらも楽しみに読ませて頂いています。わが地方 朝から雪です(((・・;) 寒いです！ そこそこな(笑)ムロさんのムロ鍋 食べさせて下さい！ 多彩な黒衣作品 これからも楽しみにしてますね(^^)v (2016年11月5日 8時) (レス) id: 05f33a3645 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ムロさん、来ちゃいました。潤くん大好きですからね(笑) しのぶさん、こき使ってますしね。翔さんも潤くんもニノちゃんになんだかんだ甘い(笑) 楽しんでもらえてるみたいで嬉しいです(*>ω<*) ありがとうございます！ (2016年10月26日 1時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒衣
| 作成日時：2016年9月13日 22時
